セックスと嘘とビデオテープの作品情報・感想・評価・動画配信

『セックスと嘘とビデオテープ』に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

ほとんど4人しか出てこないけど、とても計算された脚本と演出です。ビデオ撮影を通して、女性たちの性的な深層心理をあぶり出すことで性的な興奮を得ている青年が、一方で女性との性的なコミュケーションが出来ないという複雑な設定と、妻の妹と浮気するゲス野郎との対比が素晴らしい。その相手となる姉妹もまた、性的なことへの考え方や行動が全く違い、お互いにイライラしている背景もあり、4人のドキドキ、ハラハラ感と、どの人物に感情移入しても、座りの悪さを感じる微妙な演出に翻弄されました。スティーブン・ソダーバーグ監督のデビュー作にして、カンヌ国際映画祭のグランプリとは知りませんでした。圧巻の演出、天才ですね。
Qちゃん

Qちゃんの感想・評価

3.7
性的に奔放な妹。そんな妹を見ていて男嫌いになった姉。妹と浮気する嘘つきでクズ男の夫。女が性体験を自ら告白するビデオを撮ることでしか性的快感を得られない夫の友人。

誰がおかしいのか、まともとは何か。
自分を守るための嘘と、誰かを守るための嘘。
アカデミー賞取ってた「アメリカンビューティー」自体や、その中に出てきたビデオ男の元ネタ、これなんじゃないかな。

これは完全に人選勝ちでしょ。キャスティングがナイスすぎる。

ジェームズスペイダーやばい。。こんな役やって気持ち悪くないのは彼だからでしょ。
劇中の女たちの抱く、男に対する根拠なき信頼と自信、彼になら何でも話せてしまう、よく知りもしないのに性を曝け出してしまえる安心感を、全部ジェームズスペイダーが不可思議な魅力と雰囲気を振り撒いて体現してた。
日本のドラマとかでは良く出てくる、ふんわりした不思議な雰囲気で安心感あるけど、何気にセックスアピールがある男って、このスペイダーから始まったのかもな。

アンディマクダウェルの潔癖っぽさも、ピーターギャラガーのクズ男っぽさも、ローラサンジャコモのお姉ちゃんへの劣等感でわざと悪いコ演じてるとこも、とにかくみんな役に似合いすぎ。

26歳にしてこんな脚本書いて初監督作でやっちゃったスティーヴンソダーバーグ、恐るべし!ほんとの「尖ってる作品」ってこういうことだと思うよ。
ここからトラフィックとかに繋がってることを考えると納得!ソダーバーグさんよき!
lente

lenteの感想・評価

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ある種の軽薄さが純粋であることを支えているのか、純粋だからこそある種の軽薄さに至るのかはよく分かりませんが、スティーブン・ソダーバーグという映画監督をそれほど好きではないにも関わらず、ときどきこの人の映画作品の有りようについて思いを馳せることがあります。

たとえば女性であれば、男に媚びを売るような女(に騙される男)に苛立つことがあるように、そして男性であれば、女に調子の良いことしか言わない男(に気持ちよくなる女)にうんざりすることがあるように、彼女/彼らは純粋であるからこそ軽薄であるのかもしれず、もしくは軽薄さが純粋であることを支えているのかもしれない。

つまり一般的に軽薄と言われる人間は、そうした意味ではたいへん純粋な人間だからという側面があるように思います。これまでそのように軽薄な純粋さに生きる人間と僕は何度も触れ合ってきましたし、もしかすると僕自身のなかにも同じ傾向が(自分では気づかないかたちで)存在する可能性もあります。もしも軽薄さが僕になかったなら、こんなにも不完全なレビューを書き続けられるわけがないからです。

僕は/あなたは、僕自身が/あなた自身が思っているほどには、自分のことを(もしかすると自己省察が深ければ深いほどに)分かっていないかもしれない。しかしながらそうした盲点の存在に気づくかどうかもまた、自己省察のなかからしか生まれないもののはずです。

またFilmarksのTrend欄をときどき眺めながら、これほど多作で世界的に成功した監督のうちの1人であるスティーブン・ソダーバーグの作品が、上位に表示されることがないのは時代の流れだろうとも思いますし、ことによるとその作風の核心にあるものが、やはり軽薄さに支えられていたからかもしれない(さらに軽薄な作品がもてはやされてもいますが、それはそれとして)。

けれどいずれにせよ(これは生まれ育った時期から抗いようもなく)90年代から00年代にかけて映画から鮮やかなイメージを受け取った僕としては、この人の作品の有りようはどこか気になってしまうものとして存在します。そして多くの才能ある表現者たちの核心がしばしばその処女作に表れるように、この作品にも、映画に対するソダーバーグの信仰告白のようなものが描かれているように感じます。

あらゆる苦悩や痛みや言いようのない虚無感は、ただ純粋に「撮る」という行為のなかでひとつの官能へと至る。しかしながらその官能のなかには救いなどなく、行き着く先も持たない。いっぽうある官能(エロス)につかまれた感性は、そのように撮るというなかにしか生きることができない。たとえ束の間の生でしかなくとも。

ソダーバーグの作品からは映画としての出来不出来とは別のところで、いつもある種の官能を感じていたのですが、かつてこの処女作に接した際に腑に落ちたことがあります。出来が良かった場合もそうではなかった場合も、その成功と失敗の理由は同じ場所にあるように思えてなりません。

こんなにも「撮る」ということだけを、純粋に(そして軽薄に)持続できたことの才能と言ってみてもいいかもしれない。またこのことは、映画について書き記そうとする僕自身の欲望の源泉が、同じ場所にあるかもしれないことを思わされます。
蘭龍

蘭龍の感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

見せられているものは撮影者の暴力である一方で、撮影者と被写体は一番自由の中にいるとも言える。
そこまで魅力的な会話や映像が多いわけでもないが、ミステリアスな人物に惹かれる。
セックスと、嘘と、ビデオテープ。
kanaco

kanacoの感想・評価

3.0
タイトルの通りなのでジャンルは恋愛もの?99分主要キャストは4人、セックスという自分の性に対する考え方を扱いながらも4人のキャラクターの心情やその動きを丁寧に描くシックな感じの人間ドラマ。静かで淡々とした雰囲気を保つ大人な作品だが、会話劇や4人の行動が気になって飽きずに楽しめた😄(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

「オーシャンズ11」などを手掛けるスティーブン・ソダーバーグ監督の長編映画デビュー作であり、カンヌ国際映画祭の最高賞であるパルム・ドール(黄金の獅子)受賞作。タイトルだけは聞いたことがあったが、今回初鑑賞。

✨🐝「パルム・ドールを受賞した時、監督は当時26歳だったそう。若い!」

あらすじ:専業主婦の妻アンと弁護士の夫ジョンは世間から見ると理想的な夫婦。でも実はアンは情緒不安定やセックスレスに悩み精神科へ通っており、夫は妻の妹であるシンシアと不倫をしている。そんなある日、ジョンの旧友であるグレアムがやってくる。少々変わり者だが爽やかで不思議な雰囲気を持つグレアムにアンは興味を持ち、彼と接触するようになる。しかし、グレアムのビデオテープ録画の趣味の内容を知り…という話。

印象的なタイトルだったが、鑑賞すると本作の内容は「セックス」と「嘘」と「ビデオテープ」で展開するという、そのままのお話だった。99分で主要キャストは4人。内向的で潔癖でセックスレスとなっている「妻」、弁護士で自己中心的で妻の妹と不倫している「夫」、外交的で姉にコンプレックスがある妻の「妹」、定住せず秘密のビデオテープの趣味を持っている夫の「友人」…しかほぼ登場せず、「個人的な秘密の告白・露呈」はあるもいわゆる大々的な事件(世間を巻き込むようなスキャンダル)はないので、静かで淡々とした雰囲気を保つ大人な作品。でも、会話劇や4人の行動が気になって飽きることはなかった。

ドロドロの不倫物語というと身も蓋もないが、セックスという性に対する考え方の違いを扱いながらも、4人のキャラクターの心情やその動きを丁寧に描くシックな感じの人間ドラマだと思った。それぞれが抱える「セックス=自分の性」や「嘘」に対する自分の秘め事、本心、真の願いを「ビデオテープ」に録画して告白すること(あるいは告白して内省できるところまで覚悟が決まっていること)で、キャラクターが一歩を踏み出す。

なんかうまく言えないが、内に秘めているものの中でも、自分でも厄介ですらある深い心情を「自分とは切り離した物質形態に証拠として記録し残す」ことで、今の自分から一歩先へ踏み込める、またはより深く自分を理解することに繋がるというような、話なのかなぁと思った。

いやまぁ、でも、個人的には夫はマジでどうしようもないな!って感じだった😂
スティーヴン・ソダーバーグ初監督作にしてパルム・ドール受賞作。初監督でこのレベルはヤバい。


でもなんか見てると村上春樹みたいな作品だな。哲学的な会話とセックス。

性嫌悪の人、EDの人、セックス大好きっ子、色々出てくる。てか登場人物4人だけどね笑


EDの人が、女性が性体験、性嗜好を語ってるビデオを見ることでしか興奮しないという特殊な設定が結構深みに繋がってた。
自分でビデオを撮り、インタビュアになる。そしてそれを保存する。それを見て自慰をする。

EDとか性嫌悪とかってやっぱり自分のかなり深い内面の部分が関わってくるから、必然と話も深くなる。


とてもナイーブな人間関係の話で、この映画を面白いと感じるかはそのときのコンディションが大きく関わってくると思う。少しでも感覚が鈍ってると突然つまらない退屈な作品に変貌する。(ちなみに私は若干つまらなかった笑)



この映画が評価された一番の理由だと思うところは、年齢と共にどんどん複雑なものを抱えていって自分でもどうしていいかわからなくなった良い歳の大人が、もう自分の中で価値観が定着してしまった堅物の大人が、変わる瞬間が描かれてるからだと思う。
そんな瞬間って中々ない。
それを特殊な舞台設定によってとても自然に描かれてるのがすごかった。

そして何よりパルム・ドールには珍しい幸福感溢れるハッピーエンド。もはや純愛ですよ。
あれこれ普通の魅力的な恋愛映画じゃんと思いました笑


人は知らず知らずの内に影響を与え合って生きているという大事なことを改めて教えてくれる映画。人との関わりってやっぱ尊いなー
若い頃、「セックス」って言葉がタイトルに入っているだけで、何だか気恥ずかしくてスルーしていたスティーヴン・ソダーバーグ脚本・監督による低予算のインディペンデント映画。

夫である弁護士ジョン(ピーター・ギャラガー)と何不自由なく暮らす女性アン(アンディ・マクダウェル)は、夫とのセックスレスに悩み、精神科に通う。しかし、ジョンはアンの妹シンシア(ローラ・サン・ジャコモ)と不倫していた。ある日、夫の大学時代の友人グレアム(ジェームズ・スペイダー)がアンの自宅に数日泊まる事になり—— 。

登場人物はたった4人。
何気なく続く会話劇。
不思議と集中力は途切れず、
惹きつけられ続けるのは
ソダーバーグの脚本の妙。

4人それぞれが役にハマっている。

特にシンシアの、性に奔放でありながらも
気高く媚びない姿が超絶魅力的。何より低音ヴォイスに痺れるぅ。

対して、姉妹とは思えない程に姉のアンは
性に対しての警戒心が強く潔癖で垢抜けない。

この2人なら、シンシアに惹かれるのも解らなくもないが、妻の妹相手に不倫に溺れるジョンがなかなかのクソ野郎。

そして、物語の鍵を握るグレアムである。

掴みどころがなく、男性として不能だという彼は何処となく中性的でもある。そして、女性を相手に性に関する独白を撮り溜めたビデオテープの数々。不能者でありながら、カメラを翳せば、女性を心理的に裸にしてしまえる。それが彼の性的欲求を満たすのだろうか?

終盤、通常はカメラを向けていたグレアムが逆に被写体としてカメラを向けられ、質問者ではなく回答者となり、アンも受動的ではなく能動的にグレアムに迫る展開に。

セックスや嘘やビデオテープを超えた、その先の未知なる関係性に行き着いた男女の境地を垣間見た気がした。

なるほど。
パルム・ドールを受賞したのか。
変態風味をトッピングした哲学的作品は、以下にもカンヌが喜びそう。
6l3o

6l3oの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

若かりし頃の、レディントン。
凛としていて繊細な雰囲気がピッタリ。
顔だけで演技が成り立つ。

終盤アンがグレアムのアパートメントに押しかけ、話していくうちに彼が床に座り視線の高さがスイッチする。
この辺りから立場の逆転と健全な気持ちを取り戻し始める。再生の話。

✍️
私は、とかこう思う、を言葉で表現する事よりもこういうこと?これはどうなの?と相手への傾聴と認識の確認が心理を浮き彫りにする
インプットのクオリティー
度を越すとカウンセリングみたいになる
4744

4744の感想・評価

3.4
あっ、それでこのタイトルなのね
観る前はさっぱりだったけど、観終わった後このタイトルにすごいしっくりくる
これおもろいぜ
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