クロード・シャブロル。
そしてイザベル・ユペール。
ユペール様、この作品で賞をとったんだ!
ヴェネツィア国際映画祭 女優賞☆
裕福とは程遠い生活の二児の母、主婦マリー。
隣の家の奥さんの堕胎を”お手伝い”したところからマリーの”商売”が始まる。
お金の力で女がどんどん綺麗になってゆく様が見事でした。
マリーには罪の意識はあまりなかったんじゃなかろうか。
当時のフランスは堕胎は法律違反。
だけどいろんな事情で産めない女性たちがいたのも事実。
マリーはそんな女性たちの”お手伝い”をしてあげただけ…。
とは言え高額な報酬を頂いていたこと!
ここは言い逃れが出来ないけど…。
だけどマリーに対して嫌悪を感じないのは何故だろう。
ちょっと考えてみました。
1. 自分の2人の子供たちを本当に愛しているのがすごく伝わってきたこと。
2. 初めての贅沢がクラッカーにイチゴジャムをたっぷりのせて子供たちに食べさせてあげるシーンが微笑ましい。
3. お洒落をして綺麗になってはしゃいでるマリーがとても無邪気な少女に見えたこと。
4. あの状況で自分の夢を語るマリー。
当時7歳の息子が語るように彼女の心はとても幼かったんだと思う。
衝撃だったのがこれが実話を元にした作品だってこと。
フランスの女性最後のギロチン処刑になったマリー=ルイーズ・ジローのお話。
そしてとても印象的だったのが、戦地から戻ってきた夫を見て「帰ってきちゃったのね。私の自由な生活が終わってしまうワ」と心の声が聞こえてきそうな、マリーのあの表情!
とても可哀想な旦那さんでしたけど^^;
聖母マリア様に向かって吐いた台詞。
ギロチン台へ向かうマリーの毅然とした表情。
観終わったあとのこの気持ちはとても一言では言い表せない。
『沈黙の女』に引き続き、シャブロル作品では上位作品です☆