マヒロ

鴛鴦歌合戦のマヒロのレビュー・感想・評価

鴛鴦歌合戦(1939年製作の映画)
3.0
とある下町にて、伊達男の浪人(片岡千恵蔵)を中心に巻き起こるドタバタ恋愛劇を、軽快な歌で彩った作品。

初めて知ったが、こういう映画を「オペレッタ」と呼ぶらしい。ミュージカルとの違いがよく分からないが、基本的には楽しい喜劇であることが前提条件にあるとのことで、確かに全編にわたって邪気を一切感じさせられない陽気な雰囲気が漂っており、徹底して陽性の映画という感じがした。和楽器を持った音楽隊が演奏し始めると絶対そんな音出ないだろというジャズが流れ始めたり、コメディ描写も無邪気な印象。1939年の映画なので、やっぱり大戦以前の映画であるというのもこの明るさに影響してるのかな。
面白かったのが若き日の志村喬が出ているところで、この時代でも相変わらず年寄りの役をやっており、どの映画みてもお爺さんなところがモーガン・フリーマンみたい。全然イメージになかったが、意外と美声で歌もこなしているところが何気に凄い。

とにかくアクのない真っ直ぐな作品なので個人的には物足りなさを感じてしまったが、映像とか音質の悪さに目を瞑れば古さを感じさせない普遍性のある映画だなと思った。

(2021.8)
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