青山

ル・ミリオンの青山のレビュー・感想・評価

ル・ミリオン(1931年製作の映画)
3.7

大勢のご近所さんに借金をしている画家のミシェル。金を返せと囲まれたところへ友人が宝くじの当選を報せる。これで一件落着、と思いきや、当たりくじを入れていたコートをチューリップおやじに盗まれていた!果たして当たりくじの行方は......?


『自由を我等に』に続いてルネ・クレール監督作。
くじの入ったコートを探す、という超シンプルな話なんだけど、コートがあちこちへ動き回り、探す側も主人公、友達、婚約者、愛人といてそれぞれの思惑とかもあって、簡単な話がどんどんこんがらがっていく面白さが味わえます。
常に誰かが誰かを追いかけてるみたいな話なので、短いサイレントコメディが連なっているような感じでもあり、最初のアパートの中を追いかけっこしたり行進したりするシーンとかの映像的な面白さが凄い。楽屋のシーンが1番好きかな。手がぶつかるとこ。
やっと見つけたと思ったら逃げられたりとかの連続はサスペンスフルでもあり、意外とドキドキハラハラさせられてもしまいます。
話全体を象徴するような、「お金が全てじゃないとか言うけどお金はほしい」音頭がまた最高っすね。
たらっと観れてなんかすげえ心地いい映画でした。
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