Moeka

砂の女のMoekaのレビュー・感想・評価

砂の女(1964年製作の映画)
3.9
穴の底でただ砂かきに従事する。退屈だけれどこれをやらないと誰も自分の存在に気づかないという管理された現代社会の恐ろしさが閉塞感とともに伝わってきた。ただ水と砂の交歓を見るとこの砂は女でもあり、掴んだら溢れてしまうのに全部を飲み込んでしまう力を持つというのは狂気に近づく人間の精神と酷似しているのかなと思わされた。大海原を求めていたのにいつの間にか小さなたったの水壺で満足してしまうというのは今でもよくある話なのではと。仮面を被って上から見下ろす村人達は鬼でしか無い。
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