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雨に唄えばのearlgreyのレビュー・感想・評価

雨に唄えば(1952年製作の映画)
3.5
 本作では無声からトーキーだけど、それに限らずこんなふうに世の流れが大きく変わったとき、今まで食えていた人や人気者が食いっぱぐれるっていうのは普遍的なんだろう。
 現代だとやっぱAIで仕事が奪われる人たちだよね。

 そういうの考えると、名場面たっぷりの名画ということに異論はないけど根本のところで、興奮が止まってしまう。
 相手役女優リナの悪声で笑わせようとしている空気がちょっと受け付けない。出会った直後の主人公ドンに対する態度の悪さとかで、リナ冷遇を正当化しようとしているように見えるのも相まって余計に。
 現代の感性で評価するなって話かもしれないけれど、笑いの質が子供騙しに感じた。

 でも、中盤のコズモのおちゃらけたダンスと、佳境の雨の場面、あとなんといっても、終盤の追い詰められた3人が家で踊る場面には、理性抜きで引き付けられたなぁ。
 不満はあってもたぶんまた観る映画だと思う。
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