スガシュウヘイ

うなぎのスガシュウヘイのネタバレレビュー・内容・結末

うなぎ(1997年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「うなぎ」のように、捉えどころのない作品。なぜなら途中で変なセリフがはいるから。

「ひょっとしたら、、
手紙なんか最初っからなかったんじゃないのか?」

え? どういうこと?
あの手紙は、役所広司が妻を殺す動機だ。それが最初からない?

そもそも、この台詞はどういう意図をもって発せられたんだ?
これ、ミステリーじゃなくて人間ドラマなんだけど。なんで、わざわざ変な謎を作るんだ?


終盤で柄本明の幻影が、また言う。
「手紙なんか最初からなかった!お前の嫉妬が生んだ妄想なんだ!はーはっはっ!」


結局、謎は明かされぬまま。
どこからどこまでが妄想なんだか。


しかし、もし本当に最初から手紙がないとすれば、役所広司演じる山下という男のキャラクターはだいぶ変わる。これでは、ただのイカれた凶悪犯だ。


山下よ。
お前は、ただの「うなぎ」ではないかもしれないぞ。

ひょっとしたら、また殺しちゃうかもな、、。


よく分からない含みを持たせた作品だった。


公開:1997年
監督:今村昌平(『楢山節考』『復讐するは我にあり』『黒い雨』)
出演:役所広司、清水美砂、柄本明
受賞:カンヌ国際映画祭パルム・ドール、キネマ旬報ベストテン第1位ほか。