『アナザーカントリー』と似てるかと思ったけどさらにストーリーが深掘りされているように感じました。
学生から大人になって考えが変わり別の道を行き、
克服しようとするけどやっぱり自分の思うままに生きる。
キュンとしたり切なかったりもあったけど自由って何だろうとかも考えさせられました。
クライヴから告白してきたのに「やっぱりやめるべきだ」なんてズルい…。
リスクがあるのは分かるけどモーリスの気持ちはどうなるんですか。
自分の意思ではなく"一般的に"を尊重し強制的に愛情を注ぐ相手をスライドさせてるの悲しすぎる。
それが本当に幸せなのかな。
結局クライヴはアンと結婚して幸せになったのかもしれないけどあの時を封印して忘れようとするのが寂しい。
自分の気持ちに蓋をしてしまったせいでもっと幸せだったかもしれないモーリスとの未来を失ったかもしれないから。
あの過去はあったんだと手の甲に口付けするシーンが切ない。
同性愛が病気とすら考えられていた。
催眠術でどうにか自分を変えようとしているモーリスを見てるのがつらかった。
この時代だからこそ今とは比べ物にならない葛藤があったはず。
それでもモーリスは自分の信じた道を行きます。
ジャケットにもなってるクライヴとのシーンは素敵だったしプラトニックだけど愛し合ってるのはとても良かった。
けどスカダーとの方が好きでした。
タイミングも相まってというのもあるけど身分の違いを取っ払って愛したい人を愛するみたいな。
ベッドシーンは画面に張り付きました。
ラストのクライヴが学生時代を思い出すシーン。
切ない気もしたけど性格の悪い自分はクライヴが少し後悔してくれてればって思いました。
幸せはそれぞれ自分の意思で決めたいね。
いつの時代も同性愛ってあったんだろうなって改めて思った。
気の迷いだとか気付かないようにしてきただけで常に一定数はいたと考えています。
でも昔であればあるほど宗教とか世間体とか固定観念で自由になれず感情を押し殺したり自分は違うんだと偽って生きてきたんじゃないかな。
警察に捕まったり時には死刑にすらされるのことすらあったと思うと今は大分寛容になっているしカミングアウトしてきた全員に感謝です。
1987年に本作が公開されたときに視聴者はどんな感想を持ったのだろう。
20年後の2017年には『君の名前で僕を呼んで』が公開される。
ジェームズアイヴォリーが思う20年間での変化を是非知りたい。