らんらん

鬼火のらんらんのレビュー・感想・評価

鬼火(1956年製作の映画)
4.0
夏真っ盛り、汗だくになりながらガス料金徴収のため各家庭をまわる加東大介
訪れたとある家庭では長年夫が病気で伏せっており貧乏の極みでガス代が滞っていた
そこで加東大介は美しい妻に邪な心を抱き、ガスを止めない代わりにわかるでしょ?今夜家に来なさいと持ちかけるのであったが、、、

上映時間が46分しかない、ということですがシンプルながらも見所の多い良作に仕上がっています

調べてみたら「東宝ダイヤモンドシリーズ」なるものの第1作目、二本立ての併映用に短い中篇作を作っていたらしい、このあいだ見た「下町」もこれに当たるんですね、尺が短かった理由がわかって勉強になりました

今作ではタイトル、劇中の伊福部昭の音楽といいおどろおどろしい感を出していて、それ故にその結末は予測できるものではある
ただ主演の加東大介のキャラクターが明るくおばかで小心者なので笑えちゃったりするところも多いんです、魔が差したというか、よりによってそこにいくかみたいな、柄にないことをするもんじゃないですね
ちなみにこの作品がきっかけで「大番シリーズ」の主演に抜擢されることになったとか
名脇役のイメージ強い役者さんですが、愛嬌が魅力的で他の主演作も見てみたいですね

夏の暑い時期にヒヤッとした気分を味わうことができる良作です
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