鬼火の作品情報・感想・評価

「鬼火」に投稿された感想・評価

吉屋信子の原作がまずどうなっているのか気になった。

ガス代の集金業者の話。
加東大介力。
夏真っ盛り、汗だくになりながらガス料金徴収のため各家庭をまわる加東大介
訪れたとある家庭では長年夫が病気で伏せっており貧乏の極みでガス代が滞っていた
そこで加東大介は美しい妻に邪な心を抱き、ガスを止めない代わりにわかるでしょ?今夜家に来なさいと持ちかけるのであったが、、、

上映時間が46分しかない、ということですがシンプルながらも見所の多い良作に仕上がっています

調べてみたら「東宝ダイヤモンドシリーズ」なるものの第1作目、二本立ての併映用に短い中篇作を作っていたらしい、このあいだ見た「下町」もこれに当たるんですね、尺が短かった理由がわかって勉強になりました

今作ではタイトル、劇中の伊福部昭の音楽といいおどろおどろしい感を出していて、それ故にその結末は予測できるものではある
ただ主演の加東大介のキャラクターが明るくおばかで小心者なので笑えちゃったりするところも多いんです、魔が差したというか、よりによってそこにいくかみたいな、柄にないことをするもんじゃないですね
ちなみにこの作品がきっかけで「大番シリーズ」の主演に抜擢されることになったとか
名脇役のイメージ強い役者さんですが、愛嬌が魅力的で他の主演作も見てみたいですね

夏の暑い時期にヒヤッとした気分を味わうことができる良作です
のん

のんの感想・評価

3.0

重病で寝たきりの夫を抱えて困窮している人妻に対し、ガスの集金人が料金を勘弁する代わりに肉体を要求したために起きる悲劇を描いた作品。シンプルでストレートな貧乏描写は、昭和レトロとモテはやされる前の昭和枯れススキ。

たまたまルイ・マルの「鬼火」の前と併せて見たのでその差に感慨を覚えた。
(ちなみに「鬼火」という言葉自体の使われ方はやはりこちらの映画がしっくり)

「この人絶対見たことあるけど誰だっけ?」って思ったらなんと津島恵子。薄幸のエロス。
人がどれほど崖っぷちに居るかなんて他人には分かりゃしないことを描いた傑作中短編。不幸を分かってもらえない不幸。

清川玉枝が寿司をもぐもぐ食いながら「素人の女でも、気があったとしても一度二度は断るもんなんだよ」と加東大介を諭すシーンは、ほのぼのとした中にもドロリとしたところがあって心に残った。

女房の尻に敷かれつつも女中をてごめにする中村伸郎などなどキャスティングも最高。

千葉泰樹監督は本作を観た観客がどう思うかをどう思って製作したのだろう。時代背景を含め映画を超えたところにまで興味が湧いてしまう邦画史上に残る強烈映画。
加東大介が汗だくで歩きながら集金するシーンでかかる曲が、のちのスーパーX3のテーマだったのでシネマヴェーラでズッコケた。
加藤大介がガス会社の集金係りと言う立場を生かし、不幸な人妻とよろしくやろうとする中編映画。
夏のうだるような暑さがよく表現されてる。
ラスト、怖い。
uemiki

uemikiの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

始まりと終わりの落差が良い!

始めが、わりと平和な日常感で、どちらかというと楽しい雰囲気。
そんな日常からの、軽い気持ちでの、あのラスト。
怖い怖い。

主人公だって悪い人じゃなく、普段は優しく楽観的で良い人、というのが、しっかり演出されているのが良かった。

そして、フィルムで見るべき暗部の上手さ。怖さ。
神

神の感想・評価

3.7
コミカルに進んでいくかと思いきや。ラストの怖いこと!あの炎は津島恵子のどんな思いを表すのか。