図師雪鷹

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンの図師雪鷹のレビュー・感想・評価

4.3
航空パイロット、医師、弁護士などになりすまして250万ドル以上に相当する不渡り小切手を作成した男、フランクアバグネイル。こんな嘘のような彼の半生に迫った映画だ。


フランクは元々、裕福で幸せな家庭に育ち、特に父親を尊敬していた。しかし、それはまやかしに過ぎなかった。彼の父親が脱税容疑をかけられたのを境に、過程は崩壊して両親は離婚。愛を失ったフランクは家出した。持っているものと言えば、父親からもらった小切手くらい。だが、その小切手もうまく使えない。
落ち込む彼の横をある人物が通りかかる。それは航空パイロット。皆に笑顔を振りまき、心から信頼されていた。それは、今のフランクには無く、どうしてもほしいもの。彼はパイロットになりすますことを決意する。
それからというもの、様々な手口で偽造小切手を作成し、多くの人を騙し続けるフランク。信頼される装いに身を包み、女性を口説くなど、彼は人にとり入るのが上手だった。そんな状況でも、時に父親に手紙を送っていた。
だが、そんな彼についにFBIが目をつける。トムハンクス演じるハンラティ捜査官は熱意と執念で彼を何回も追い詰めるが…



目的がはっきりしている犯罪者は、映画の登場人物としてはとても魅力的だ。その上フランクは、頭が良くて人に好かれるのに、最終的にはその目的を達成できない不器用さも兼ね備えている。それに、映画から、自分が偽る職業人の身振り手振りを学んだのも面白い。
自身を嘘で塗り固めたフランク。そんな彼が正直者のハンラティに惹かれたのも当然なのだろう。そのおかげで、フランクはとある分野で偉大な才能を発揮することになる。


嘘のような本当の人生を体験したい人にこの映画はおすすめだ。もちろん脚色はあるが。
図師雪鷹

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