スガシュウヘイ

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのスガシュウヘイのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

鮮やかな詐欺というのはいつ見ても気持ちのいいものだ。

ルパン3世ディカプリオvs銭形トム・ハンクスの本作。ディカプリオは偽造小切手切りまくり、変装しまくり逃げまくりでやりたい放題。追う方のトム・ハンクスは恥をかかされてばかりだ。
ディカプリオがいい女とセックスしている時、トム・ハンクスはコインランドリーで婆さん達と洗濯をしていた笑。この対比がいいなぁ。頑張れ銭形トム・ハンクス!


本作が面白いのは、3つの時間軸が並行して語られていく点だ。
一つは犯罪前。
一つは逃走中。
そして逮捕後。

犯罪前のパートでは、何故彼が偽造小切手を作るに至ったかが語られる。父親への不当な容疑、両親の離婚と母親の再婚。彼が内面に抱える弱い部分がここにある。ここはシリアス担当。

逃走中のパートは、本作の要だ。おもしろい。パイロット、医者、弁護士と様々に姿や名前を変え、金や女を巻き上げる。ここはエンタメ担当。

そして逮捕後のパートでは、何故かトム・ハンクスはディカプリオに対して、ある種の友情のようなものを感じているようである。この気持ちは、きっとルパンを追い続けている銭形と一緒だ。わかるぞ、その気持ち。犯罪者と刑事の奇妙な友情が語られるこのパートはドラマ担当か。


このように、シリアス、エンタメ、友情ドラマを同時進行で変わるがわる語らせていくことで、飽きさせない展開にしているのは流石のスピルバーグだ!

そして、二人の友情が結実するラストには、なぜだか感動すらしてしまう。
まったく大したもんだよな。


公開:2002年(米)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ジェフ・ナサンソン
音楽:ジョン・ウィリアムズ(『ジョーズ』『スター・ウォーズ』シリーズ)
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス