松下菜緒と鈴木亜美の女子大生コンビが、女の左足を切り落として「生き神さま」にするという奇習をもつ村に、呑気に温泉入りにきて大変な目に会うというお話。
深作健太監督は撮るごとに少しずつ巧くなっていますね。
今作は、日本のショッカー映画としては良くできていると思う。
テンポが良く、コンパクトにまとまっていて、原作小説のオチの部分をわざわざ声優を使って再現していたりと芸が細かく好印象。
ホラーとかショッカーとして観ると、まあなんだかなあという感じもぬぐえないんだけれど、凡百ある下らない映画と比べればだいぶマシなほう。楽しく観れます。
突っ込みどころが100個所できかないぐらい満載。
でも、それを愚痴るよりも楽しい観方に変換可能な映画。
これだけつっこみどころがありすぎると逆にそれが武器にもなりうるんだなあ、と鑑賞後に感動しました(笑)
キチガイ女役の小沢真珠と鈴木亜美のバトルが肝なんですが、これがまた意外と完成度が高い。
13金のジェイソンとか、エルム街のフレディと最後に残ったヒロインとのバトルみたいな感じがよく出ています。
仮設トイレにこもった鈴木亜美を、ありえないほどバカでかいハサミでトイレごと串刺しにしようとするキチガイ。
トイレに体当たりしてひっくりかえすキチガイ。
トイレのドアを蹴り破る鈴木。
ぶち切れた鈴木がチェーンソーで反撃!
火花散るハサミとチェーンソー!
劣勢になった鈴木が可燃性の薬品で反撃。
薬品をビニール傘で防ぐキチガイ。だけど薬品はキチガイに飛び散っていた!
鈴木がライターで火をつけ、燃えあがるキチガイ。更になぜか爆発!
それでも死なない不死身のキチガイ!
鈴木亜美の蹴りがきまって、キチガイKO!
・・・てな具合。すごいテンションでキチガイを怪演する小沢真珠が凄い。
凄すぎる!
あと、イケメン役の池内博之も程良く狂っててナイスでした。
おしむらくは、「おみ足~」と連呼されるのに、肝心の松下の美脚があまり映らない。舐められるけど(苦笑)
入浴シーンは、ドギつくはないが、まあまあ良い(笑)
結局、エクスクロスとはどんな意味なのか。多分語幹の響きだけで格好いいからタイトルになったんだと思うけれど。
松下と鈴木の携帯が、意味もなく何度もX字に光るのも超センスで、最後まで笑える作品だったなあ。
総じてオススメ。