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ギルバート・グレイプのfishmuttonのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.0
良かった。
しかし観ていて私は苦しかった。

父が死に過食症の引きこもりになった母、稼ぎ頭①の姉、もうすぐ18歳になる知的障害の弟アーニー、15歳の妹と暮らす稼ぎ頭②の青年ギルバート。彼は日々母の食費稼ぎと弟の世話で家族を支えていた。トレーラーの群れが通り過ぎるだけの田舎町で、車の故障で足止めを食らった乙女ベッキーが彼の生活に新たな風を吹き込む。
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カーヴァー夫人に私はイラつきMAX。
ヒステリックなクソ女!と思ってしまった。
性欲に流されちゃう若い男で火遊びしてんじゃねぇ!しかも理由が最悪。流されちゃうギルバートも悪いけどさ・・・。でも、最後のギルバートとカーヴァー夫人のやりとりはなんか良かった。面倒臭い女だったけど、彼にとっては思い出の人であったと。

愛故にではあるんだが、だからこそギルバートの献身が私には苦しくて辛い。
自分なら逃げ出したくなると思う。自分なら、弟が死ねばいいのにと思ってしまうかもしれない。果てしない介護や自分が先に死んだときのことを思うと余計に。
母はいつも弟を太陽だと言う。弟のことでヘマをすれば自分をひどい子だと言う。これ以上ギルバートに何を求めるんだよ。
お風呂のシーンは、悲しいけれどああそうなるだろうなと思った。その後ずっと風呂入らんとは思わなかったけど。

ケーキ、風呂、殴る、町境、水浴び、家族の車・・・の一連が苦しかった。
こんがらがった愛の糸が解けて、家族への愛を再認識できたのは良かったと思った。一方で、ある種の呪いだよなとも思った。

クライマックス、なんか知ってる気がした。誰かから聞いたんだろうか。
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