叡福寺清子

大魔神の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

大魔神(1966年製作の映画)
4.0
ハリウッドの破壊王ローランド・エメリッヒも,本作の魔神様大暴れシーンで破壊の美学を学んだという根も葉もない噂が流れても,10秒くらいは信じちゃう三遊亭呼延灼です.こんばんわ.
埴輪顔から魔神への顔の変化.変化した魔神の魔神たる面相.尺にしてわずか10分の破壊活動にも関わらず心に刻まれる衝撃度合.後世への計り知れない影響力は,どれだけ称えても不足するという事はないでしょう.邦画界の宝であります.
で,大人目線であらためて視聴いたしますと,悪鬼羅刹に見えた大舘左馬之助が,実は優れた人物であることが理解できます.領民を酷使し,神を恐れぬ不届き者という悪人ではあるんですが,謀反を計画し漏洩させることなく成功に導いた手腕は評価される事ですし,さらには領民が崇める石像を壊すって発想は,比叡山焼き討ちと通じる古い因習に囚われない改革者の思考でありますしお寿司.また魔神に襲撃されても,即座に火の車や鎖のよる拘禁を準備するなんて,優れた武人でないとできないことでしょう.
でも魔神様に杭打ちされた時はスッキリしたんで,やっぱ悪人なんっすわ.あいつ.