のりしろ

レイジング・ブルののりしろのネタバレレビュー・内容・結末

レイジング・ブル(1980年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

歴史上の偉人や有名人を描くとき、多くの映画はその人物の持つカリスマ性や英雄性をやや誇張(あるいはその部分だけにフォーカス)して描くものだと思っている。

この映画はどうだろうか。
八百長の負け戦にも絶対に膝を折らない姿はまさに不敗の男。屈強な肉体を持つ怒れる雄牛だ。
その一方で、妻の浮気を疑い、己の弟にまで呆れられ、最後には破局を迎える姿はなんとも女々しく、鋼の肉体に閉じ込められた繊細で嫉妬深い心をも描き出している。

レイジング・ブルという異名を持つ男の、ボクサーとしての強さだけでなく、その人間が持つ多面性を丁寧に描くことで、映画の登場人物を等身大の人間として感じられるようになる。

この主人公とは友達になれそうにないなぁ〜
と、身近に感じさせてくれる。
スコセッシ監督はやっぱりすごいなぁ。
のりしろ

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