あけび

落下の王国のあけびのレビュー・感想・評価

落下の王国(2006年製作の映画)
4.4
空の青、血の赤、砂漠の黄色
目に焼き付いて離れない、強烈で壮大な景色
CGを使わず世界遺産を含む24カ国で撮影された、アートのような映画作品

少女が病院で出会ったのは、撮影中怪我して歩けなくなったスタントマンのロイ。失恋で傷心していた彼は、作り話で少女を惹きつけ自殺するための薬を取ってきてもらおうと画策するが…

少女と青年ロイの病院での場面と、ロイが物語る幻想世界を行ったり来たりしますが
思っていたよりわかりやすいストーリー展開でした

やはり世界中で撮影されたという物語世界のビジュアルは一見の価値あり
ジリジリ肌を焼く太陽や渇いた砂まじりの風を感じられます
しかし、個人的には2人きりの場面が素晴らしかった

調べたところ、少女アレクサンドリア役のカティンカちゃんとリーペイス演じる青年の場面は順撮りで、ほとんどがアドリブ。子供らしい辿々しい喋り方があまりに可愛いし、だんだんと打ち解けていく様子は本物だからリアルに感じられたのだと納得。

しかもリーはカティンカのリアルな演技を引き出すため、歩けない演技を撮影外でもずっと続け、彼女(そして撮影クルーさえも)身体障害者だと信じていたそう。まだ若いのに恐るべき俳優魂。

権利の関係で円盤の再販がなく、貴重な作品となっている今作
テレビで見れてとても嬉しかったし好きな作品でした。
でも欲を言えば映画館でも見てもみたい!
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