あけび

ミセス・ハリス、パリへ行くのあけびのレビュー・感想・評価

4.1
憧れのディオールのドレスを着たい。
ロンドンで家政婦として働く未亡人には身分不相応で不必要なものかもしれない。それでもそれが好きだから、そのときめきを胸に一生懸命、時には強引に突き進むハリスを見ていると勇気が湧いてきました。

そしてこの映画の良いところはその夢のようなディオールを支えているのは名もなき労働者たち、労働者の物語へと移り変わっていくところ。ドレス綺麗だね、買えてよかったね、で終わらず、社会問題まで一歩踏み込んでいるところがすごく好きでした。

ミセスハリスの飾らない素直なところ、でも一歩も譲らない頑固な気質はパリの人々の心も変えてしまいます。
家政婦のしがないおばちゃんだからって物怖じせず、堂々とお説教してみせるハリスに
声を上げることの大切さを教えてもらいました。

今年は夏に一人旅をしてきたこともあり、パリの街並み、目に映る全てに感動するハリスの姿に強く共感。ゴミだらけのパリでも憧れの地はやっぱり素敵なのです。

ラストハリスのドレス姿できっと誰もが笑顔になれる
とっておきのときめき映画でした。
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