あけび

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのあけびのレビュー・感想・評価

4.5
カラフルで摩訶不思議な世界観を最新のVFX技術で表現しつつ、クラシカルな王道のナンバーてんこ盛り、そして誰もが笑って、少しほろっとしてしまう珠玉のファンタジーミュージカル映画。
70年代の方のチョコレート工場の前日譚ですが見てなくても大丈夫(ティムバートンの方とはなんの関係もないです!)
誰もが楽しめるホリデーシーズンにぴったりな映画でした。もう一回見たい!

私はどちらかというと字幕派ですが、今回見た吹替版がすごく良くて‼︎
ウォンカ役の花村想太さんはミュージカルに出演経験のある方なので、こんなことを言ったら失礼ですが、シャラメさんより…上手では…??と思ってしまうほど。ウォンカのチャーミングなキャラクターにぴったりで早く日本語サントラを聴きたくてうずうずしています。
松平健のウンパルンパも妙に紳士なところが可笑しくて!ウンパルンパの歌は聴いたら最後、頭から離れなくなりました

とにかく驚いたのはそのクラッシックな楽曲。もはや良い意味で古臭いレベル…!
ウンパルンパの曲とピュアイマジネーションは70年代の映画版からそのままとってきおり名曲ですが、その他も王道の古き良きミュージカルのナンバーに仕立ててあります。

ロアルドダールの作品ってどことなくシニカルでちょっと気味が悪い部分があるように感じるのですが
ポールキング監督の手にかかればシニカルさは健在しつつも、砂糖をまぶしたような、こんなにも可愛らしい作品に!
何より監督の描くヴィランが大好き!とことん嫌なやつだけど、どこか憎めないユーモアが絶対にある。
今作の3人もほんとやってることは卑劣なんだけど、どこかおとぼけで可愛いし、レミゼのあの夫婦を彷彿とさせる2人もなんだかクスッと笑ってしまうシーンが多かった!
チョコレート界を牛耳る3人で歌う賄賂の歌、Sweet tooth (甘党でしょ?)は3人のハモリが美しくすごく楽しいナンバーで笑いました。

これはメリーポピンズ?レミゼラブル?など
あのミュージカルかな?と小ネタ的に織り交ぜているシーンも感じられて面白かったです。

主演のティモシーシャラメはやはり華のある人で、ワインレッドのビロードコートが似合うこと!テの字も知らなかった母親もすっかり夢中になっていました

メリーポピンズが大好きな身としては、こんなにクラシカルな古き良きイギリスミュージカルが今時代の蘇るなんて…!と本当に大満足でした。大変おすすめです!
あけび

あけび