1998年、ワシントンDC。長い歴史を誇る〈ニューリパブリック〉は、政治経済・カルチャーに鋭く切り込む権威ある雑誌社。そこに勤めるスティーブン・グラスは、若干24歳の記者だ。元同僚のチャックが編集長に昇格した直後、彼は特ダネ記事をいくつもモノにして社内で一目置かれるエースとなった。しかし5月、少年ハッカーが大手ソフトウェア社のサイトをハッキングし、その代償が訴訟ではなく社からの褒賞だったというトンデモな話を記事にしたところ、ライバルの「フォーブス社」から問い合わせの電話が入った。スティーブンの記事に登場するソフトウェア社もハッカーも実在しないというのだ。スティーブンは、このニュースのネタ元に騙されたと主張するが、チャックは彼の捏造を疑い……
「ニュースの天才」
実は隠れた職人脚本家＆監督であるビリー・レイの処女監督作。主人公スティーブンはヘイデン・クリステンセン、チャック役はピーター・サーズガード。
医学の世界にも報道の世界にも、どんな世界にもある「捏造」。そこに至る重圧と心理と幼稚さを描いた実話ベースの作品。地味ながら若い役者陣の演技は見応えがあり、一見の価値がある一本です。捏造は、バレた後の行動と態度で人間性がわかるよね。
