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めしのlarabeeのレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
3.5
【他にタイトルは思いつかなかったのかなぁ】

まだ充分ではないが男女格差が多少なりとも縮まって来たのはこういう時代があって、その時の女性の苦労があったからこそ。

でも本質はまだ変わってないような気がする。男側は男側で言い分はあるだろう。ただ、相手を思いやる気持ちがあればもっと上手く行くのに。

原節子演じる三千代は来る日も来る日も夫の「めし」を作って掃除したり洗濯したり。そこに夫の姪、里子が転がり込んで来て自由気ままに振る舞い、里子に優しく接する夫にも腹が立ってくる。自分は毎日「めし」を作ってるのに。

そりぁ腹も立つだろうし、実家に帰って行った三千代の気持ちは男の自分でもよくわかる。

役割は仕方ないが相手を敬う気持ちやら感謝する気持ち、これを伝えなくては意味がない。思っているだけでは意味がない。伝えなければ。この時代の男性は特にそういうの伝えるのダメだからなぁ。

話としては普遍的なテーマを扱っているので今でも共感出来るし観やすかった。が、その分インパクトは弱め(普通の話になってしまっている)。

そこを流石の原節子のオーラと品で魅せる作品に持っていった。原節子さん、演技が無茶苦茶上手いと言うわけではないけどこれだけ品のある女優なかなかいない。時代を超えて訴えかける女優さんだと思う。個人的には小津作品の原節子さんの方が好きだが。

あと、姪の里子を演じる島崎雪子さん、ビジュアルは北原佐和子(古っ)のようで可愛らしくなかなかのハマり役。実生活でも失踪したりお騒がせ女優だったよう。

しかし『めし』って(笑)。
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