このレビューはネタバレを含みます
原作は、林芙美子の未完の絶筆だというが、「監修：川端康成」というのが凄い❗
リアリティ溢れる描写を盛り込んで、「倦怠期の夫婦」という暗鬱な題材ながら、軽妙な親しみやすい上質なホームドラマに仕上がっている。
「永遠の処女」と呼ばれる神話性をもったスター女優原節子が、この作品では市井の所帯やつれした女性を演じ、新境地を開拓している。
が、やはり彫りの深い美貌とスラリとしたプロポーションの原節子は、市井のおかみさんは似合わない。演技は良かった。
時代は変わっても、夫婦の心のすれ違いとか、日常の中の平凡な幸福とか、いつまでも変わらないものはあるなぁ。
