成瀬監督作。
出てくる役者さんがそれぞれ素晴らしいです。
夫婦のちょっとしたわだかまりを原と上原がリアルに演じます。
時代背景を考えると、原演ずる三千子は、ちょっと裕福なお家に嫁いだよう。
えいやっと帰る故郷、川崎の街とは暮らしが違いました。
川崎ではまだまだ貧しい暮らしを強いられる人たちが多く。
実家の現状を目の当たりにして、今の自分を省みることが出来るわけです。
当たり前になってしまった日常は、俯瞰で見るのそうでもない…。
夫と同じく、そっけない、『めし』というタイトルに成瀬監督がそんな事を盛り込んでいるような気がしました。
派手さはありませんが、杉村春子や浦辺粂子など、素晴らしい俳優達が生きる人間を演じてます。
2011年4月19日鑑賞。