Smoky

ブギーナイツのSmokyのレビュー・感想・評価

ブギーナイツ(1997年製作の映画)
3.9
小さい頃から映画を観ていて、映画を扱う仕事に就いた自分にとって、同時期に登場したクエンティン・タランティーノとポール・トーマス・アンダーソン(以下、PTA)は重要な映画監督。特に、自分とほぼ同じ歳で、本作で弱冠27歳にしてアカデミー賞にノミネートされたPTAは格別。PTAの監督作は全て観ているし(あの『インヒアレント・ヴァイスでさえ!)、今や世界三大映画祭(カンヌ・ベルリン・ヴェネツィア)の全てで監督賞を受賞した名匠。
 
PTAの映画が好きな理由は、ストーリーや映像や音楽の総合芸術としての素晴らしさと、全編から伝わる広くて深くて濃い『映画愛』。往年の名優がこぞって出演するのは、彼等を観て育ったPTAが彼等の活かし方を熟知しているから。賞レース常連の大物俳優たちが彼の作品に何度も出演するのは、PTA率いる映画好きによる素晴らしい環境での仕事が楽しいから。
 
ポルノ映画業界を舞台にしているものの、そこで描かれているのは紛れもない『映画愛』と、その旗印の下に集まった弱くて人間臭い映画好きたちの『家族愛』。
 
その象徴としてのバート・レイノルズの圧巻のスワッガーぶりと、ジュリアン・ムーア&ヘザー・グラハムのミューズたる美しさは際立っている。この3人の演技を見るだけでも価値のある作品。あと、ロバート・ダウニー・Jrのお父さん、つまり、ロバート・ダウニー・Srが出演してる。繰り返すけど、コレ、27歳の若者が創った映画だからね!
 
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