玉生洋一

八日目の蝉の玉生洋一のネタバレレビュー・内容・結末

八日目の蝉(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

公開時にも映画館で見たが、
昨年末に連ドラ版を見てとても感動したので
Jテレの放送で再視聴。

連ドラ版とかなり異なる作りになっていて違いが面白い。
そもそも、逃亡する母親役が永作博美と檀れいという両極端のタイプなのが面白い。
どちらもそれぞれの良さが出ている。

連ドラでは逃避行がメインで描かれていたが
映画は現代の娘パートと同分量で交互に描かれており
その分、緊張感も映画が勝る。
連ドラでも同様の構成もできただろうが
それよりも逃避行をじっくり描きたかったということなのだろう。

映画で存在感を示しているのはなんといっても小池栄子。
自身も男性恐怖症という悩みを抱えながら
薫を支える天使的な人物としてとても魅力的に描かれている
(ドラマ版ではなかった要素)。

小池栄子の存在もあって、
ラストはお腹の中の娘との明るい未来を感じさせる
希望のあるものとなっている。
ドラマ版では喜和子と再会できるかどうかだけが気になってしまい
その種の希望を感じる余裕はなかった。
正体を明かすのは、子供時代に仲良くしていた映像が流れたあと(ドラマ版もうそうなっていた)のほうが効果的では。

実のお母さんは
不倫相手の希和子に暴言を吐くなど
ドラマ版よりも酷い人物に描かれている。
この人も被害者だと考えると複雑。
絶対的な加害者である夫の描写はほんの僅かのみ。
その代わり、現代の娘の不倫相手の描写はねっちり豊か。劇団ひとり(が演じている役の人)に嫌悪感。劇団ひとりは「してやったり」ということなのだろう。

「まだご飯食べてないんです」のくだりは、
ドラマ版では終盤まで隠されていて謎解き要素になっていたが
映画版ではあっさり。
岸谷五朗も映画ではバッサリカットだった。

小豆島の風景が美しい。
とりあえずそうめんを食べた。