玉生洋一

生きるの玉生洋一のネタバレレビュー・内容・結末

生きる(1952年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

何度見ても色褪せない名作。
藤子不二雄(藤本弘)の「劇画オバQ」「じじぬき」等に多大な影響を与えている作品。

実感的には3部構成。
小説家との徹夜での夜遊びの後、そのまま寝ずに
部下の若い女性と一日デートを繰り広げる第1部。

若い女性へのストーカーと化す第2部。
連ドラにするならここを長く描いても面白い。

通夜に回想シーンをはさみながら描く第3部。
ラストには元部下の若い女性が焼香に訪れて
事なかれ主義の元上役たちを泣きながら罵倒するものとばかり思ったが
そんなシーンは一切なく、それがいいところなのだろう。

普通なら、公園ができるまでの奮闘ぶりをじっくり映像で描写するだろうが
公園を作ろうと決意した後はすぐに通夜のシーンに飛び、
奮闘ぶりが断片的にしか描かれないのが
構成としては天才的にうまい。
そこに時間をかけていたらその部分は凡作になってしまうということなのだろう。

※本編ノーカットで視聴。