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八日目の蝉のtsのレビュー・感想・評価

八日目の蝉(2011年製作の映画)
4.2
一日のうちに原作を読み、立て続けに映画も鑑賞。なんだよこれ。。号泣しまくり。捕まるシーンとか嗚咽で苦しかった。


正義や道徳、倫理だけで物事を解釈するのは難しいなと思ってしまった。

子供は親を選べない。果たして、親子の絆は血のつながりなのだろうか。愛は血のつながりを越えたものなのではないか。劇中、希和子と薫のツーショットを見ていて、それが「親子」と呼ぶべきかどうかは別として、二人の間に侵しがたい深い絆しか感じなかった。希和子の慈しみ深い微笑みは見返りを求めない無償の愛に溢れていた。

希和子の身勝手な行動で多くの人々が人生の歯車を狂わせたことは事実だが、それらの歯車すべてと噛み合わざるを得なくなった子供は、何を正しいと考え、何を道しるべに生きていくのだろう。

この物語は薫が複雑な過去を克服するとともに、自分の過去と未来に関わるあらゆる人々を受け入れていく話なんだなと思った。それに気づかされるきっかけになるのが希和子との絆、というのも面白い。

とにかく素晴らしい映画だった。原作よりも雄弁に語る映画というのもめずらしいんじゃないか。そして、主演女優みな素晴らしい演技だった。特に永作博美に感動。最近、ファンになってきちゃった。
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