tsさんの映画レビュー・感想・評価

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カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)

3.6

新しい作品ではないのに色褪せない、いまでもメッセージがわかりやすい、いい映画だった。ストーリーはシンプルで、画一的な没個性からの脱却をシンプルに描いていた。

面白かったのは兄であるデイヴィッドは道徳
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.6

なんだこれは・・・。大傑作じゃないか。「ひと夏の同性愛」だなんて軽薄な表現で片付けられない、極めて芸術的な作品だった。

爽やかなイタリアの夏、光と緑に溢れ、石畳の上を走る自転車、見るからに冷たく気持
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フィッシュストーリー(2009年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃおもしろい!

伊坂幸太郎は何作か読んだことはあるけれど、「フィッシュ・ストーリー」は読んだことがなかった。ただ、他の作品のように、不思議なストーリー設定と綿密なプロット、多様な伏線、最後
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.0

人間を人間たらしめるのは愛なんだなとつくづく感じさせられる映画だった。 愛って残酷で、それが強ければ強いほど、理屈や道義を置き去りにして、その人を突き抜けた行動に駆らせる。でも、一方で愛こそが自らの進>>続きを読む

ジ、エクストリーム、スキヤキ(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画めっちゃ好き! もう冒頭から会話がおバカすぎて、なんども吹き出してしまった。
自分と同年齢くらい?の設定なのかな、登場人物がとても身近に感じられたのもあるけど、演技もセリフも自然体で、等身大の
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サバービコン 仮面を被った街(2017年製作の映画)

3.2

どう鑑賞すべきだったのか、観た後に少し悩んでしまったが、まあまあ面白かった。主役のロッジ(マット・デイモン)はまさにコーエン兄弟らしい人物像だったと思う。ただ、いろんな要素が断片的に散らばってしまって>>続きを読む

ボス・ベイビー(2017年製作の映画)

3.4

よく笑い、よく泣いた。子育ての素晴らしさと大変さがユーモラスに描かれている・・・だけではなくて、実はもっと普遍的な愛の形を温かに教えてくれる作品。昔から涙もろい方だけど、最後の方はえぐえぐ嗚咽しながら>>続きを読む

フラットライナーズ(2017年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

どうやらリメイクらしい。この映画は分類なんなんだろうな。やっぱりオカルトかな。内容に真新しさもなく、医学生にしては軽率・軽薄過ぎだろ!知性が感じられねー、とツッコミながら軽い気持ちで見ていたら、けっこ>>続きを読む

グッバイ・クリストファー・ロビン(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

小さい頃からプーさんが好きで、いまとなっては「大人」になった自分にはとても楽しく鑑賞できる映画だった。といっても、内容は重いけれど。

「戦争」という悲劇を中心にして、"Winnie The Pooh
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シャニダールの花(2012年製作の映画)

2.0

むむむ、、稀に見るつまらない映画だった・・・。
というと誤解を招きそうだけど、好きな人はきっと好きだろうと思う。

ただ、綾野剛と黒木華が出ていた「リップ・ヴァン・ウィンクルの花嫁」みたいな童話のよう
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怪物はささやく(2016年製作の映画)

3.9

とにかく描写が美しくて、色遣いや暗めのトーンも上品だし、CG もとても丁寧で、見ているだけで楽しめる作品だった。

そして、主役のルイス・マクドゥガルの演技が素晴らしい。こんな少年にもかかわらず、孤独
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マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋(2007年製作の映画)

3.3

うーーむ、なんかすごくもったいない感が半端なかった。

ニューヨークの都会に建つ魔法のおもちゃ屋、おもちゃ屋の中はまさに夢の世界、お洒落な魔法使いのおじいちゃんに、魔法によって生きている建物とおもちゃ
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スティング(1973年製作の映画)

4.5

もう何回観たかわかんないくらい観たのに、また観てしまった。なんでかなー、まったく飽きない。

なんて言えばいいかわかんないけど、懐かしい瀟洒なラグタイムとレトロなイラストにのせて、まるで「さあみなさん
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ワタシが私を見つけるまで(2016年製作の映画)

2.5

とてもライトな映画。特に女性に対して、周りの価値観に振り回されず、強く前向きに生きていくための元気を与えてくれる映画。あとはきっと「そうそう、わかるわかる」といういろんな共感を通じて、心が勇気づけられ>>続きを読む

大統領の料理人(2012年製作の映画)

3.1

フランス料理ってどれも美味しそうで、観ていてずっと楽しかった。誰かに料理を作る機会があると、相手が喜んでくれる料理って何かなと考えて、作って、サーブして、お酒を飲みながら笑ってもらえる、ってほんとうに>>続きを読む

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.7

むむ、これはコメディじゃないぞ。

という大事なことに半分くらい観てからようやく気づいた。たしかに面白さや滑稽さは至る所にあった。それに対して観客は笑うだろう。でもあとになって、そうだ、自分は笑ってい
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恋愛睡眠のすすめ(2006年製作の映画)

3.6

なんて変な映画なんだろう、って最初は正直思った。手作り感満載のアニメーションや小道具。夢の中でのぶっ飛び感。これ以上ないほどの主人公の頼りなさ、滑稽さ。なのに、とても温かくて、懐かしくて、甘酸っぱくて>>続きを読む

リアリティのダンス(2013年製作の映画)

3.4

ホドロフスキー監督の作品は初めて。なんじゃこりゃ!! 振り切れてる! っつーか、異次元。樽に落ちてどーんとかペストの治癒とかもどこまで笑っていいのかわからん。なんでママはレチタティーヴォみたいに歌って>>続きを読む

ダウト 〜あるカトリック学校で〜(2008年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

司祭と少年との関わり合いから客観的に示唆される、不適切な関係に対する疑惑・疑念がこの映画のタイトルの由来なわけだけれど、単にそれだけを指し示すものではなく、正義や真理に対する疑念であったり、信仰に対す>>続きを読む

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

3.0

サスペンス・ドラマではなく、社会ドラマ。でも、設定も雰囲気もサスペンスとしては秀逸で、関わってくる人物や出来事が話が進むにつれてだんだんと明らかになる、という謎めいた流れはとてもよかった。ただ、謎解き>>続きを読む

つみきのいえ(2008年製作の映画)

4.5

セピア色の色彩、どこかわからないような無国籍な雰囲気、隣人の気配の全くない水に沈んだ家々。自然の音しかしない広漠とした海から感じる、この上ない孤独さにも関わらず、優しい水彩のタッチと、手書きが故に直線>>続きを読む

アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(2015年製作の映画)

3.4

邦題から漂うイケてない感に臆することなく、クロード・ルルーシュという名前を信じて鑑賞。うむむ、これは深い。様々なしがらみにとらわれた男女が徐々に心惹かれ、その距離を縮めつつも、縮めきれない大人の恋愛ス>>続きを読む

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります(2014年製作の映画)

3.5

まさか差別問題にまで踏み込んだ、こんな深い作品だとは思わずに鑑賞した。最初は老いた老夫婦が思い出に後ろ髪を引かれながらも新しい終の住処を探すハートフル・ドラマかと思っていたのに、徐々に心の中にすっとさ>>続きを読む

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)

4.0

観終わったあと、なんだかまるで緑鮮やかな初夏のように爽やかな映画だなぁと感動した。難民というドイツが近年抱える社会問題として注目されている題材であるにもかかわらず、難しさも説諭くささもまったくなく、国>>続きを読む

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)

3.4

手持ちカメラのような撮影。舞台っぽさも映画っぽさもない役者の演技。アコースティック中心のストリート・ミュージック系の一連の音楽。すべてが自然体で、まるで自分がその場にいるかのような、ある意味リアルな臨>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.1

US の映画館で鑑賞。こんなに大興奮の連続なミュージカル映画は久しぶり! とにかく音楽すばらしすぎる! ビートの効いたアップテンポな曲は四つ打ちの力強いリズムに興奮させられたし、男女のデュエットは掛け>>続きを読む

ホーム・アゲイン(2017年製作の映画)

2.2

良くも悪くも普通、という感想。批判を恐れず言うならば、ちょっと昔の少女漫画的な、悩みも苦しみもない理想的な世界の中で繰り広げられるラブ・ロマンス、といった感じ・・・。もっと心理的に深掘りされた葛藤とか>>続きを読む

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.4

ストーリーは普通なのに、不思議とすごく心が温かになる映画だった。幸せの定義ってなに?という生きていく上でとても大事なことを、優しく理解のある父親と数学の真理の追求に取り憑かれた祖母というわかりやすい対>>続きを読む

浮雲(1955年製作の映画)

3.1

開始早々から、言葉のやりとりや高峰秀子の表情・演技から匂い立つような感情の機微に心が動かされて、なんて叙情的な映画なんだとため息が出てしまった。なかなか普通の映画では感じるのことのできない「雰囲気があ>>続きを読む

野菊の如き君なりき(1955年製作の映画)

4.0

野菊の墓を読んだ時、なんて儚く切ない物語なのだろうと感じたけれど、涙を流しはしなかった。それは自分の想像力が足りていなかったのかもしれないし、自分がまだ幼かったのかもしれない。でも、今回は終始、心の中>>続きを読む

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

3.1

富士フィルムを使った国産初のカラー映画らしい。衣装だけでなく、景色も含めて、極めて色彩豊かで驚いた。

ストーリーはコメディの王道。大げさなまでに誇張されたストリッパーとしてのキャラクターはただコミカ
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麦秋(1951年製作の映画)

3.8

娘の結婚話をきっかけに、家族が離れ離れに散らばってゆく様子を描いた映画。戦後間もない頃の映画であるせいか、戦争の爪痕(次男)がまだ鮮やかに残りつつも、女性の社会進出であったり、自動車にあふれる東京の街>>続きを読む

羅生門(1950年製作の映画)

4.0

初めて観た。お恥ずかしいことにてっきり「羅生門」を原作にした映画だと思っていたのだが、開始早々、「藪の中」がベースになっていることに気が付いた。でも、一番の肝となるメッセージは「羅生門」に由来するのか>>続きを読む

お早よう(1959年製作の映画)

3.5

「東京物語」に引き続き。

子供たちのおなら遊び、面倒な婦人会・隣組、近所のおばさん達の噂話、押し売りの撃退、我儘な子を叱る父親、英語教師の淡い恋模様、子供の可愛らしい意地張りなど、なんの変哲も無いが
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チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密(2015年製作の映画)

2.2

とてつもなくユルい、おバカコメディ。

つまらなくはないんだけど、そんなに面白くもないという。笑いを取ろうとしてるのはよくわかるものの、(押し付けがましい?)安易なネタやジョークのせいか、とてもチープ
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