A8

ダンス・ウィズ・ウルブズのA8のレビュー・感想・評価

ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990年製作の映画)
3.9
アメリカの雄大な自然を見惚れる姿で映し出された歓喜は言うまでもない。
そして、純粋な“生”を追い求めていく主人公とインディアンがこの背景に美しく描かれる。
そして、うまく言葉にできない自分にもどかしさを感じる。

足を切断するならばと、死を覚悟して馬を走らせ敵に向かった。しかし、これが吉と出、行き詰まった戦況を打破した英雄となった。
その褒美として好きな戦地を選べる権利を得た彼は“フロンティア”を志す。
この目で最期のアメリカをみたいと。

夢、ロマンが詰まった男の孤独と成長を描いた作品。
言葉の通じないその土地に住むインディアンと、少しずつコミュニケーションをとっていくうちに彼の中で“生きる”ということが明確化されていく。部族のリーダー的な存在の人の言葉で“この世の中での生き方はいろいろある、大切なのは自分の生き方を見つけるということ”(言葉自体は違いあるがニュアンスはこんな感じだったと、、)という言葉がこの作品の主人公の姿をまさに表していたような気がした。

そして、言葉が通じるかどうかではない、心を通じ合わせるかだ、そう感じた。
インディアンにしても、白靴下のオオカミにしても。
そう思わされる描写が素敵だった。

文明が持つのがそんなに偉いのか、それは幸せなのか。現代でもそれは言えると思う。
金や富、、それらが生きる意味なのだろうか。
そうは思わない、正解はいろいろあるだろうが、自分の生き方を見つけること、それが幸せへの道なのかもしれないと思った。

部族の一員として認められるが、自分自身が白人という運命からは逃れられない。そのもどかしさを感じたケビンコスナーの表情が印象的だった。
果たして、生き方を見つけた彼はこれからどう過ごすのだろうか。少なくとも彼は輝いていた。
A8

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