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ある愛の風景のmhのレビュー・感想・評価

ある愛の風景(2004年製作の映画)
5.0
いまごろ「カサブランカ」の引用かしら。ゆるそうな戦争映画だこと。なんて脇腹かいてたら、中盤からとんでもないことになってきて、正座した。ラストは息ができない。
殺人という行為にどれだけの精神的な負荷がかかっているのかみたいなことを描いている。ひとがひとを殺すことに真正面から向き合ってる。
序盤の既視感あるホームドラマで、受け手が舐めてかかるのも奏功している。受け手をあら探しモードにするか、微笑ましく見守るモードにするかは、創作においてかなり重要なポイント。
クリストファーノーランさんとかドゥニヴィルヌーブさんならあら探しモードになっても耐えきれるけど、あそこまでやるつもりないなら、絶対に舐められたほうがいい。そうすれば観客は味方になってくれて、微笑ましく見守ってくれると思うんだよね。って、ジェームスワンさんも思ってるに違いない。
その点でもこれは完璧だった。
後半があまりに過酷なため、前半のゆるいドラマも生きてくる。
いやほんとすごいね、この構成。
ラストカットも完璧で、低予算映画の理想型だね。
渋谷TSUTAYAをさまよう時用のアンチョコには、未見の戦争映画のタイトルがびっしりとかかれており、この映画のリメイク作「マイブラザー」の名前もあって、リメイク元のこちらを先に見たのはたまたまなんだけど、順番は大正解だった。
デンマークの戦争映画はすごいね。
すげー面白かった!
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