ある愛の風景の作品情報・感想・評価

「ある愛の風景」に投稿された感想・評価

た

たの感想・評価

4.8

このレビューはネタバレを含みます

監督曰く

「あれがベストだったと言えない時が人生にはある。この映画はその究極のケースだ。」

「自分が死ぬことで友を救うことが出来なかったのか。答えはNOだけど、この映画ではそういう仮定を提示しようとした。」

映画のタイトルがBrødreなのは、未公開のミカエルが釈放されるシーンにこそ意味があるのに本編ではそれを流さない。説明的にならないようにするためなんだろうけど、相変わらずスサンネビアは終わりに余韻を残して「あとは皆さんで考えてね」が多い。そしてこの映画にはいくつかの分岐点かあって、未公開のラストシーンもそのひとつ。

2018_77

このレビューはネタバレを含みます

とても重い作品。
最終的にミカエルの秘密を妻に打ち明けることにより幕が閉じるが、その秘密、及び苦しみに関して視聴者は中盤でわかるため、ミカエルの伝えたいけれど伝えられない苦痛、そして変わってしまったミカエルに戸惑い、悩む家族たちの苦しみ、どちらもわかるためやりきれない。
最後きっと妻はミカエルの罪を受け入れ、許すことができたと思う。ラストの号泣するミカエルを妻が抱きしめ、そこに夕暮れが差し込む描写がそれを表しているように感じる。
非常に考えさせられる映画です。
無

無の感想・評価

4.0
まじめで優秀、両親の自慢の息子である兄とその妻と娘二人、チンピラで逮捕歴のある一家の鼻つまみ者の弟を巡る家族の物語。
赴任先のアフガニスタンで夫ミカエルが戦死したとの便りが届き皆悲しみに暮れるが、男手のなくなった家で弟ヤニックが部屋の改装をしたり子供たちと遊んだりと、自然の成り行きでこのまま兄の代わりに家長に収まるのでは?という雰囲気が漂う最中、ミカエルが敵の捕虜になり生きていた事が判明し帰還するが戦争のトラウマにより夫であり父の人格は変貌してしまっていた。
何もかも全てが崩れてしまったこの家族の終着点は…
ニコライ・リー・コスのクズだけど実は優しいツンデレな弟がハマリ役!
余韻を残す映画が多いスサンネ・ビア監督作品の中では一番。邦題も深い。
HAL2016

HAL2016の感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

戦争で同じ国の兵士を殺す事を命令され、その後の苦悩が描かれる。拷問より精神的なトラウマになりそうな仕打ち。人を殺めることの倫理観が戦争となれば敵、味方ともに崩壊する。この監督の卓越性は究極の選択をつきつけて、より深く考えさせる内容としているところです。
ヒルコ

ヒルコの感想・評価

3.8
ハリウッド版リメイクの「マイ・ブラザー」を先に見たんだけど、こっちの方がゴツゴツした手触りでもっとリアル。トビーマグワイアの演技は勿論すごかったけれど、やっぱりどうしても映画的過ぎるんだよね。こちらの方がダイレクトに胸にくる。誰も悪くないことがこんなにたちが悪いってのがね、ほんとどうしようもないよね。自分の夫が、と思うと本当に怖いわ。
52hz

52hzの感想・評価

4.5
スサンネ・ビア監督作。この人の撮る作品は、いつも心を波立たせてくる。

優秀な軍人で、2人の娘を持つよく出来た兄、ミカエル。
銀行強盗をしてムショ帰り、〝ろくでなし〟な弟、ヤニック。
弟いわく〝退屈な中流夫人〟だった兄の妻、サラ。

派兵先で捕虜となったミカエル。
サラ達の元へ届いた訃報。
そして一度は戦死とされた彼の帰還。
全て元どおりになったようで、全てが変わっていた。

取り返しのつかない罪を犯してまで帰りたかった、家族のもと。
しかし、派兵前とは別人のような態度をとるミカエルに子供達は怯え、彼が〝死んで〟いた間に支えてくれたヤニックに懐く。
何があったのか話して欲しいと言うサラをミカエルは拒み、ヤニックとの仲を疑う。

これは…辛い。
三者三様、誰が悪いわけでもなく、仕方がなかった。そうするしかなかった結果。

ヤニックは明らかにサラに惹かれており、サラもおそらく憎からず想っていそうで、その辺りも切ない。

デンマークの作品だが、「マイ・ブラザー」という題でハリウッドリメイクされている。
ハリウッド版は別監督、キャストはトビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマンだった。
あちらも良かったが、このオリジナル版の方が雰囲気があって好き。
この映画も安定のスサンネビアでした。物語全体として焦点がぼやけている感じがしたので、一つ一つをもっと掘り下げて欲しかった
himaco

himacoの感想・評価

4.0
『未来を生きる君たちへ』でスサンネ・ビアに惹かれて。
光と影の使い方、ぼんやりした映像、目や口元のアップから伝わってくる心情、どれも好み。

邦題では気づかなかったけど実はこれ、2009年にトビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマンの豪華キャストでリメイクされた『マイ・ブラザー』の基になった作品だった。

帰還兵とその家族の苦悩。
仲間を失い本来の自分までも失ったミカエル。愛する夫を失った妻、父を失った娘たち、誇りにしていた息子を失った両親、唯一の理解者である兄を失った弟。

長女ナタリヤをはじめ、とにかくキャスト全ての演技が素晴らしい。
Bom

Bomの感想・評価

3.4
スサンネビア監督とアナストマスイェンセンのタッグね。大きな題材を細かく深くじわじわ突いてくる感じがたまらんですね。吐気がするくらい考えさせられます。

2018年初観作品185本目
海月

海月の感想・評価

3.9
人の命を犠牲にしてまで手にしたかった家族たちとの再会。
あまりにも平和でいとおしい家族の存在に、罪をおかしたという意識が離れずなや見続ける夫が孤独で孤独で、とてもつらかった。

最後のシーンは唯一少しだけ救い。それでも戦争という現場にいた人の心の傷に思い至れる事はないのだろうと、やるせない気持ちになりました…
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