Kuri

バットマン リターンズのKuriのレビュー・感想・評価

バットマン リターンズ(1992年製作の映画)
4.0
ポスター見て、映画見て、
ポスター見返すと、納得。
この作品には三人の主役がいて、それぞれ同じくらいの格で並んでる。

バットマンは物語の重しとして一番上に。
このお話は"バットマン"リターンズなんだから。
だからと言ってずば抜けた存在というわけではなくて、ただ"バットマン"であるというだけである。

真ん中に陣取るキャットウーマンは狙った獲物から目を離さずにジッと睨みつけている。
彼女はバットマンと同じく"普通"から弾かれた人であり、
彼らが仮装パーティーの中で2人だけ仮面なしで出会うシーンには、孤独な魂の偽りの出会いが描かれていて観てて息苦しくなります。

一番下で映画の色彩を決めているペンギンの哀しみこそが、ここでのメインテーマに。
両親に捨てられ、ようやく復讐に出てきてみれば騙されて、しかも乗せられて。
挙げ句の果てには恥をさらして逃げ帰るなんて、彼にたいして悪役とはとても言えないのです。

暗闇で光を見上げることが好きな自分みたいな人間にとっては、胸が痛くてたまらなくなる"自分たち"の物語を、
よりによってクリスマスという、もっとも光に満ちた季節を舞台に描く残酷さ。

ティムバートン監督作品はあまり肌に合わなかったのですが、"バットマン"シリーズは好きな作品になりました。
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