Mikiyoshi1986

2001年宇宙の旅 新世紀特別版のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

5.0
2017年一発目はこれ!
スタンリー・キューブリック監督が手掛けたSF映画の金字塔!

めちゃめちゃ久しぶりに観ましたがもう色んな意味で凄いよね。
若干の時代性は感じさせるものの、整合性を一切欠かない徹底したリアリズムの追求はキューブリックの完璧主義をまざまざと見せつけられます。
今観ても「これってどうやって撮ったの?!」って思える特殊効果も目白押しだし、
CGさえ無かったこの時代の技術が現代の映画製作でも未だに応用され、ぶっ飛んだ視覚効果を生み出しているのだから凄い。(例えばインセプションとか)

本作が製作された年は冷戦下における米ソ宇宙開発競争が白熱していた時代であり、
まだ人類の月面着陸は成し遂げられず、宇宙遊泳の成功で舞い上がっていた頃。
人類が宇宙という未知の世界へ着実に近づいている実感を胸に、人々は宇宙の彼方に熱い思いを注いでいた時代でした。

そんな時代にキューブリックが映像化してしまったこの宇宙空間は、今を以てしてもまったく違和感の無いクオリティーに驚かされるばかり。

しかし最大のテーマはやはり「進化」にあること。
文明の発展が機械頼りになりつつある昨今ですが、それは人類を脅かす可能性も孕んでいることを危惧しつつ、未来の人類の進化を大胆な発想で展開していきます。

原作者アーサー・C・クラーク氏も述べていたように、地球上の生物は海から陸地に移動したことで劇的な進化を遂げました。
そして我々人類が宇宙という新次元に到達した時、未知との遭遇によって宇宙の真理に近づき、もう一段階新たな進化を遂げることが出来るのではないかという期待を本作は示唆しています。

そして本作が製作されてから約半世紀が経ち、時は2017年。
設定の2001年から16年が経過して、月面着陸以降は誰も月に行っていないし、未だに有人木星探査も行われていません。
我々が「モノリス」に出会えるのはあと何年後になるのでしょうか。

ちなみにHALの誕生日は1992年1月12日なのね。メモメモ…
Mikiyoshi1986

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