Mikiyoshi1986

キャラバンのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

キャラバン(1999年製作の映画)
4.2
北ネパールの奥地、標高4600mのヒマラヤ山脈に位置する僻地の村ドルポ。
ヒマラヤで採れる塩を売って食糧の麦を買うため、村人たちが何十頭ものラマを引き連れチベットの山々を越えていくキャラバンの一群。
そんな大自然の雄大さと過酷さ、そして人間との対峙と共生を描いた壮絶なスペクタクルドラマ。

監督は元々は写真家でヒマラヤの魅力に取り憑かれ、ついにはネパールに移住してしまったという強者なフランス人。
写真家ならではの視点で、美しいショットを次々に紡ぎ出していきます。
ヒマラヤ山脈の大自然の中、9ヶ月に及ぶオールロケで製作されており、この息づく壮大さはまるでドキュメンタリー映画を観ているかのよう。

本作は現地の素人を多く起用しており、チベット民族の暮らし、習慣、伝統文化、チベット仏教、死生観を交えながら、世代間で巻き起こる継承と変革の在り方を掘り下げています。
主要人物が美男美女で、子役も可愛い。

全編を通し、人が営むための生き抜く力強さをまざまざと見せつけられました。
吹雪のシーンはユルマズ・ギュネイの「路」を彷彿とさせます。
チベットの土着音楽が取り入れられたサントラも、神聖さと荘厳さを見事に表現した大変素晴らしい楽曲ばかりです。
Mikiyoshi1986

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