さすらいの旅人

南から来た用心棒のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

南から来た用心棒(1966年製作の映画)
3.5
マカロニ・ウエスタンの貴公子が主演の痛快作
【VOD/WOWOWオンデマンド/配信視聴/テクニスコープ】

貴公子と呼ばれるジュリアーノ・ジェンマ主演のマカロニ・ウエスタン。
WOWOWでジェンマ特集をしていたので久しぶりに再鑑賞。ただ、フィルムの状態が以前NHKBSで使用されたものと同一であまり良くなかった。BD盤も発売されているので、今後はぜひHDリマスター版で放映してほしい。

この映画はラオールが歌う主題歌があまりにも有名で、私のマカロニベスト主題歌でもある。オープニングで拳銃を背景に低音のギターイントロが響き、ラオールの哀愁を帯びた声で始まる主題歌は、聞いていてゾクゾクするから不思議だ。昔、銀座にある山野楽器に輸入盤のサントラを買いに行った思い出がある。

さて、前置きが長くなったがジェンマはこの映画で「ファントマ撃ち」とか「空中回転撃ち」といったアクロバット的曲芸撃ちを見せている。彼はニヒルなイケメンで、身のこなしが軽いので当時の女性に絶大なる人気を誇っていた。ジェンマに対する山賊のボスは、悪役の常連フェルナルド・サンチョが演じている。ジェンマはボスから致命的な銃弾を複数受けるが、それが伏線になりラストで胸がスッキリする決闘をするから面白い。そのトリックが意外なので未見の方はお楽しみに。

ジェンマもいいが次に私が好きなマカロニ俳優はフランコ・ネロ。ぜひ特集を組んでいただき「続・荒野の用心棒」「ガンマン無頼」などの痛快作を放映してほしい。