けー

7つの贈り物のけーのネタバレレビュー・内容・結末

7つの贈り物(2008年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

脇見運転は命取り。

運転中に鳴ったブラックベリーの画面に気を取られ、うっかり対向車車線に入ってしまい、玉突き事故を起こしてしまったベン。
最愛の婚約者と玉突き事故に巻き込まれた6人が死んでしまう。罪滅ぼしに自分が奪った命の数だけ命を救おうとする。

MIT工科大学を卒業し、子供の頃からの夢だったロケット開発のエンジニアとなり順風満帆な人生を送っていたティム。IRS職員である弟ベンの身分証を盗み、ベンと名乗って救うと決めた人々に近づく。

罪を償うために骨髄や腎臓などを提供していき、角膜と心臓も送る相手をピックアップ。心臓を送ると決めたエミリーに幸か不幸か恋に落ちていくベン、もといティム。

エミリーは心臓を移植しなければこの先、生きていくことができないので、エミリーに恋におちて共に生きていきたいと思っても自分は提供者になる予定なのだから2人の未来はない。

それでもエミリーの主治医にエミリーが助かる見込みやドナーが現れる可能性を尋ねたのは、エミリーと生きる未来を少しぐらい夢見たということなんだろうか。


婚約者を含め7人もの人が命を落とす事故の原因を作ってしまったのだから、過失運転致死傷罪か脇見運転が原因なので危険運転致死傷罪にティムは問われたはず。この映画が描いているのが執行猶予期間中の出来事だったとして.......

ティムは誰よりも自分が犯した罪を自分が許せずにいたわけで、過酷な償いを自分に強いている。 エミリーとの交流は最初から「自分が死なないとエミリーに未来はない」という縛りがあるので、なんというか普通に切ない感じで、このまま幸せになったらあかんのかいなぁとも思ったりするんだけれど、同時に婚約者があんな風に死んでしまったのに他の人を好きになってしまうという後ろめたさみたいなのとかもあるのかしらどうかしらとか思いつつ。

償うために命を投げ出すつもりだったティムだけれど、エミリーに関しては愛する人を救うために命を投げ出すというところに目的がスイッチしたのはそれなりの救いだったのかどうなのか。

グレートデンもいい味出していたし、印刷機の修理とかベタな悲恋ものとして、ついつい泣けて しまったりもするのだけれども、でもなんというかこういう時ってどうなればいいというか少しぐらいは救われるんだろうかとかティムが死ななくてもいい選択肢は生まれなかったのかとか思いつつも、先に奪われてしまった7人の命のことを思うと、うむむむむーとどう考えていいかよくわからなくなってしまって。


うーん。


うーーーーーん。



結局脇見運転はやっちゃなんねぇ...というところに落ち着くしかないというか。
自分が加害者になったときとか、なんというか 誰だって加害者になる可能性はあるわけで。

そうなった時どうすればいいんだろう。
咄嗟に答えが出てこない。
なかなか悩ましい問題だ。



考えてみればウィル・スミスって精神的にとんでもなく追い込まれる役柄結構よくやっているような。

辛くなったりしないんだろうか。
けー

けー