NORA

おとなのけんかのNORAのレビュー・感想・評価

おとなのけんか(2011年製作の映画)
4.7
「こどものけんか」の調停のために集まった2組の夫婦。話し合いは穏やかに終わり、さあ解散しようとした矢先、 Carnage(原題:修羅場)の火蓋は切って落とされる。余計な発言が巻き起こす気まずい沈黙とピリピリとしたヒリつきが徐々に場を支配し、話題を逸らそうとよかれと思って発した一言が、よりクリティカルに事態を悪化させていく。攻守は次々と入れ替わり、あれよあれよという間に、気づけば4人は人生最悪の瞬間の真っただ中。そんな地獄のような79分が、なんとも面白いのだから困ったものである。世界的ひねくれ野郎ロマン・ポランスキーの意地悪な名人芸が全編にわたって冴え渡る。体裁、立場、そんなものすべてを文字通り(物理的に)「ぶち撒けて」しまう、本音だらけのこの映画にギャハハと笑えるあなたは、私は、果たして「おとな」と言えるかな?それにしてもクリストフ・ヴァルツ、電話に出るだけで面白いってあんた一体どういうことだよ。
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