J四郎

ギャング・オブ・ニューヨークのJ四郎のレビュー・感想・評価

4.0
スコセッシのギャングものですが時代は19世紀。
南北戦争の時代のニューヨークの荒くれ者たちの物語となっています。

主演はレオナルド・ディカプリオで、彼の宿敵をダニエル・デイ=ルイスが演じていてもう一人の主役といってもいい。このビルって男はワルのボスだが中二心をくすぐるよーな義眼を入れたカッコ良く侠気もたっぷりな魅力的なオッサンです。

どこまで時代考証が正しいのか分かりませんが、この時代のニューヨークは暴力の吹き荒れる野蛮な世界!何かにつけ血みどろのバトルが勃発するものっそいカオスなマッドシティです。冒頭はアメリカ生まれのギャング団とアイルランド移民のチームの大乱闘から始まる。初っ端から世紀末感MAXで楽しませてくれます。

ネイティブアメリカンはアイルランド移民どもはオレたちの国に侵入して職を奪いやがる!とお怒り。ん?同じようなこと最近聞いたような。歴史は繰り返しますねぇ。
アイルランド軍団のボスの神父(リーアム・ニーソン)が主役アムステルダム(ディカプリオ)の父で、最初の抗争でビルに殺られてしまう。オヤジの仇と復讐に燃える彼の話がメインです。

アムステルダムは素性を隠しビル軍団に入門して機会を狙う流れですが、全編通してバイオレンスの嵐が吹き荒れます。わずか150年前のニューヨークがこんな野蛮だったとは。選挙をサボると「今日は投票日じゃ~ワレ投票行かんかい!」と怖いお兄さんにしばき倒されます。日本もこのシステムを導入すれば投票率アップ間違いなしです。

クライマックスでは南北戦争の徴兵制に不満を持つ貧困層の怒りが爆発。ニューヨークの街は大暴動になり金持ちをぶっ殺せーと暴れ回る。まあ、それはいいとして(?)どさくさ紛れに黒人まで殺されるのが何とも。ココであのバーナムサーカスもちらっと出るんで「グレイテストショーマン」の背景を知ることも出来ます。
ド派手な大混乱の中、アムステルダムの復讐のラストバトルが始まります。

この映画、けっこう低評価ですが僕は好きです。主演2人が魅力的でイイし、金をかけまくった大掛かりなセットに派手で容赦ないバイオレンスと本当に魅力的。このニューヨークに行きたいかー!と掛け声をかけられたら全力で逃げますがね。
J四郎

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