竜平

ギャング・オブ・ニューヨークの竜平のレビュー・感想・評価

3.4
1800年代のアメリカ、ニューヨークで巻き起こるギャングの抗争とその中で生きることになる一人の若者の姿を描く。今でこそお馴染みのマーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオ主演というタッグ、その記念すべき1作目となる作品。

復讐に燃える男「アムステルダム」をディカプリオが好演。根底にその敵討ちの想いがありつつの、時代や運命に抗えず時には長い物に巻かれる姿というのが印象的。色濃く描かれる人種差別の問題と、南北戦争の真っ只中にある時代背景、前半からあるそれらが展開を大きく左右していく、という感じ。言ってしまえば、要するにそこに生きた「語られるのことのない人々」の生き様というのを堪能する、そんな内容になってると思う。前述したような復讐の話や、斧やナイフを駆使するなかなか痛々しくて激しい戦闘シーンなど表面的な楽しみ方ももちろんできるんだけども、なんとなく、これはアメリカ人にこそダイレクトに響く作品なんじゃないかな、なんて思うんだけどどうだろう。歴史にも詳しくないしアメリカの地に出向いたこともない身として、この映画の本当の意味での「良さ」というのを理解するのはなかなか難しかったのかもしれない。まぁこれが単なる深読みでしかなかったらホントごめんって感じ。

ギャングの大ボス「ビル」を演じるダニエル・デイ・ルイスの、得も言われぬ怖さとただならぬ風格、これにはシビれる。キャメロン・ディアスは今作ではナチュラルメイクながらもやっぱりお美しい。てかこのときのディカプリオの風貌かっこいいなー、なんて。ディカプリオ好きはひたすら彼を愛でることができる約160分。いやしかしもう少し上映時間短くてもいけたんじゃないか、とか言わない方向で。
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