新午前10時の映画祭で観た。レアなフリードキン版(ノーカット)を先に観てしまいオリジナルをようやく観た。
南米の場末の街で食い詰めた4人が油田火災を吹き飛ばす大量のニトログリセリンを運ぶ危険な仕事につく。
1953年に公開された本作は確かに当時としては衝撃的だったと思う。南米の街の明るい絶望と諦観。絶望的状況から抜け出したい4人のそれぞれの事情。緊張感溢れる演出と余りにあっけない死。多分死亡フラグを明確に作った先駆者ではないかと思う(調べてみないと分からんけど)。
4人が4人とも誰も主人公的キャラでないのも面白い。主演のイブ・モンタンでさえ見た目は色男だが女と老人をナチュラルにいじめる野郎だったりするし。
オリジナル版、フリードキン版を比較するとフリードキンが本作を非常に深く解釈してることが分かる。
オリジナル版を観れば非常によく出来たサスペンスだ。しかし、フリードキンはこのサスペンスをホラーとして再解釈した。うがった見方をすれば4人はまるで死神に魅入られている様にみえる。特にラストのイブ・モンタンの死は難関をクリアし成功した直後の無駄死だ。
フリードキン版は主役の4人を描く際、彼らが最果ての街にたどり着くまでの原因を丁寧に描き、彼らが罪深い、死ぬべき人間であることを示している。彼らがニトログリセリン運搬の仕事で死んでいくのは事故ではなく悪魔に魅入られたからなのだ。その証拠にクライマックスでロイ・シャイダーは悪魔と遭遇するシーンがある!ある意味エクソシスト外伝。
オリジナルの再解釈した上で話の筋は同じなのに全く違うテイストの作品にしたということからフリードキン版に軍配を上げたい。
って全然オリジナルの事書いてないですね。