凄い、面白いが映画というより凄まじいサーカスに近い。
物語としては全く内容がない。約3時間かけてカギがない!見つけた!いや盗られた!見つけた!を繰り返すだけ。その合間をトムの常軌を逸したアクションで繋いでる。
しかし面白いのはアクションだけでない、トムの主張だ。
冒頭で上司キトリッジはイーサンに語る。
暴走して自意識を獲得したAIについて。あらゆる情報の加工とコントロールが可能で、既にネットに拡散しており根絶は不可能。だからこのAIを自国でコントロールするしかない。このAIがあれば我々(スパイ)の仕事は無用になると。
『トップガン マーヴェリック』ではAIとドローンの飛躍でトップガン自体が不要になると語られる。
どちらも主張は同じだ。最新技術によって既存の職業はなくなっていく。イーサンもマーヴェリックも同じ行動をする。負け戦と分かっていても、自分の出来ることを全力でやるのだ。
ミッションインポッシブルもトップガンもCGを極力使わず肉体を危険に晒す昔ながらの映画作りにこだわっている。それが、時代遅れで負け戦になることなんて、トムは承知してるのだ。
超大作の娯楽作品であるが、トム・クルーズという男の主張というかアジテーションというか、非常に奇妙な映画だ。