海猫

恐怖の報酬の海猫のレビュー・感想・評価

恐怖の報酬(1953年製作の映画)
3.7
前半のベネズエラの街ラス・ピエドラスの描写がちょっと長いが、全編見終わると主要登場人物の人柄を描くパートとして納得がいく。なぜニトログリセリンをトラックで運ぶ危険な任務に挑まねばならなかったのか?に対する理由付けの意味もあるだろう。運搬が始まってからは緊張感が出てきてサスペンスがある。平常時は肝っ玉のある行動をしていたシャルル・ヴァネルが、運搬時は怖じ気づいて人間性が変わってしまうのは、とてつもなく不安になる。道中、様々な障害が行く手を阻むがなんとか乗り越えてゆく。ここらへんは現在の感覚だと牧歌的に見えてしまう。今どきの作品だともっと危機せまるスリルを盛り上げてくると思う。ラストの着地は皮肉な感じでもあるし、一種のギャグとしても受け止めることができる。
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