まりも

ニンゲン合格のまりものレビュー・感想・評価

ニンゲン合格(1999年製作の映画)
4.8
若い西島秀俊さんがすごく良くてびっくりした。失礼ながら、今はどちらかというと役者としておもしろいタイプではないと思っていたので、、
そして、お父さん役の菅田俊さんがとても良い。子供のことを考えていないわけではないが、うまく父親にはなれない男。大杉漣さん、そしてもちろん役所さんも、ふたりがいなければ成立しない物語だ。
黒沢清さんの画はとても好きだ。観客に必要以上のサービスをしないが、きちんとしっかり画で訴えている。説明台詞が無くても、感情を表す音楽が無くても、人物の心境が俯瞰のショットの中に、光に影に、映し出されている。脚本も清なんですね。尊敬しかない。家族って、みんな一緒に仲良く笑って愛し合っているものではないと思う。みんなそれぞれ個人として、どうしようもなく自分なんだ。だけど、その人なりに家族のことを想っていたりもする。
なぜこんなに評価が低いのかが悲しい日。
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