このレビューはネタバレを含みます
パリ教室、それぞれの声
2011年5月23日 18時01分レビュー。
2008年カンヌ映画祭パルムドール受賞。セザール賞脚色賞。監督ローランカンテ。原作「教室へ」、主演ヘランソワベゴドー。
ノーマーク作品、パルムドール作品でドキュメンタリーかと思いましたが、フィクション。私の大好きな教室映画系青春映画系譜。
日本だとテレビドラマが主流となりますが、一時かなり海外でないかなぁ?と思い、探しハマったもんです。
リチャードブルックス監督暴力が教室に入り込む、理性と若き衝突「暴力教室」
「暴力教室」で生徒役だったシドニーポワチエが黒人教師となり教室に心の花をさかす「いつも心に太陽を」
大好きなジョンヒューズ作品で教室は、図書館へ!ワンデイ高校生のマスターピース「ブレックファストクラブ」
私の大好きな教室物、何の気なしに鑑賞となりました。
とあるパリの教室。24人の生徒がいる。
そこに本作の教師であり原作者のフランソワベゴドーが国語の授業を行う。
担任でもある彼がぶつかる、パリ24区僕たちのクラスの模様の映画です。
素晴らしい授業風景が映し出されます!必見。全然リアルです。
違うのは、国民性。日本じゃこんなに、ポンポン意見がキャッチボールできませんよね。
優秀、寝る、聞いてない、参加しない、鋭い、反抗エトセトラ
そこにうつるパリっ子のさまざまな主張
ぶつかる意見
はじける若さ
確かめる自分の人種
本作がパルムドールというチョイスもわかります。
風景、舞台、SFXもなく、ひたすら教室と教師周辺を切り取ります。
教師達、パリの学校の組織具合、教師の悩み、思いが交錯していきます。
学校の制度にビックリしたり、見ていくと次第に生徒達の性格の表情が浮かび上がります。
ラスト付近には、驚かされ溜め息。
情報量の多さ、まさしく青年交差点、教室に問題は転がり、教師は、いらつき、思いをぶつけ、はぐらかされ、悩みまた、ぶつかっていきます!
変な脚色や通常の青春映画の華やか、ラブ的な要素皆無です。
ひたすら
「ようこそ!教室へ」というか
「はげしい教室」
「うるさい教室」
「つまらない授業な教室」
「それぞれの声が飛び交う」
的な授業形式になっています。
さて教室の中にはどんなパリの子どもたち、声が届くのでしょうか?みえるのでしょうか?
私はベゴドー先生の溜め息が、重くもあり、教師を満喫している懸命な吐息のような風を感じました。
とっても素晴らしい作品でした!
教室、青春映画好きな方、ちょっと考えたい方に是非!
パリのとある教室の熱い空気を吸ってみては、いかがでしょうか?
追伸
劇中生徒の1人の子が着ていたTシャツがムチャクチャカッコ良かった。
柄はホラー映画の隠れキャラ「ヘルレイザー」のピンヘッド((爆)欲しいなぁ)
その子のまた、主張に苦笑いしながらも、わかる、わかると頷く!