Mikiyoshi1986

カルメン故郷に帰るのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)
3.9
12月28日は日本最高峰の名女優・高峰秀子さんの命日。
また奇しくも明日12月29日は彼女との共演が特に印象的だった小林トシ子の命日であり、
またまた明後日12月30日はこの二人を多く起用した松竹の名匠・木下恵介監督の命日でもあります。
それぞれ今年で没後7年、没後1年、没後19年を迎えることに。

そんな3人が初めて揃ってタッグを組み、また木下にとっては初の喜劇映画となり、
そして日本初のカラー映画としても大変有名な松竹作品がこちら。

雄大な浅間山麓を望む長閑な農村を舞台に、家出していたおきんちゃん(高峰秀子)が自称芸術家となって突如凱旋!
今や東京の人気ダンサーとして活躍する"リリィ・カルメン"を名乗り、
ストリッパーの概念さえ知らないゲスな田舎者相手に、東京で評判の最先端"裸踊りゲージツ"をマヤ朱美(小林トシ子)と共に大胆披露!

彼女らが巻き起こす騒動がちょっぴり滑稽でちょっぴり愛しく、
我が娘を思う父親の心情や夫婦愛は涙を誘い、
戦争の癒えぬ傷を受けた音楽家にもしっかりフォーカスを当てて戦後日本の現状を今一度スクリーンに浮かび上がらせます。
木下の選曲も大変素晴らしい流れ。

ケバい化粧ながらも高峰の美貌はやはり目を見張るものがあり、その魅力的なキャラクターには愛着しか沸いてきません!

家出した子供が水商売渡世で身を立てて帰郷したり、家族やご近所さんを巻き込んで村中の騒動になったり、半ばバカにされながらもその悪びれない性格でなんだかんだ周りに愛されていたり、笠智衆がその土地で一番尊敬されている役周りだったりと、
これらのプロットはやはり松竹の看板『男はつらいよ』の雛型と云って良いでしょう。
そして男カルメンこと寅さんは傾きかけた松竹映画を一気に立て直してドル箱映画へと躍進し、皆から愛される国民的スターに成り得たのでありました!
めでたし、めでたし。