今日は月に一度の銀座エルメスで名画鑑賞。今月の作品は1972年のフランス=イタリア映画「ひきしお」。
地中海の孤島でひとりでひっそりと暮らしていた男(マルチェロ・マストロヤンニ)の元に、ふらっと金髪の美女(カトリーヌ・ドヌーヴ)が舞い込んでくる。美しい海。奇岩の多い風光明媚なビーチ。おしゃれな音楽に、美しいカトリーヌ・ドヌーヴと前半はBGVにしててもいいくらいのおしゃれな美しさ。
が、犬が死んだところから一転、男と女の関係は所有と隷属という関係に変わる。現在のマジメな感覚で見たら、女性蔑視とか見る人によっては顔をしかめそうなシーンもあるが、ふたりはそれでも幸せそう。雌犬になりきって主人を舐め、求めるカトリーヌ・ドヌーヴのなんと妖艶なことか。
ピンクのメッサーシュミットは可愛いけど、ふたりの旅立ちに走り出す機体のプロペラが回っていないのは、回らなかったからなのか?あえて回していないのか? それによってラストシーンをどう読み取っていいのか変わると思うんだけど、そこまでこだわってもいないのかな?
地中海の海と若きカトリーヌ・ドヌーヴを堪能しつつ、アンニュイな雰囲気のストーリーに身を委ねられる人に。