怪獣映画で戦争映画をやろうとした作品。ど傑作。何よりも敵怪獣レギオンの魅力に尽きる。
ケイ素化合物で形成されるケイ素生命体で目的は「生態系の変化」。星々を渡っては、その星の生態系を自分に適した形に変えていく。草体とそれに共生するレギオン(巨大レギオンと小型の兵隊レギオン)がセットで勢力を拡大していく様はそれ自身が一つの軍隊だ。
レギオンに対抗するためガメラが戦うのだが、ガメラは巨大レギオンと戦えるが兵隊レギオンには(数が多すぎて)敵わない。自衛隊は巨大レギオンには敵わないが兵隊レギオンには対抗出来る。クライマックスでの戦闘でガメラと自衛隊が共同戦線を張ってレギオンと対決する様は今観ても燃える。
しかも兵隊レギオン駆除のためNTT職員が電磁波放出に協力したりと軍、ガメラ、民間人の総力戦!
この映画は敵怪獣レギオンの能力、生態について疑問→推論→検証を何度も続けて丸裸にしていく極めてロジカルな構造をとっている。
それ故に最後の最後でガメラに”奇跡”を起こさせるのに当時は不満だった。しかし、今回観返してみると、この”奇跡”がなかったら映画としてカタルシスが全くない息苦しいものになっていたろう。この”奇跡”のシーンでガメラもまた人類を必要とする存在、即ちレギオンと同様に人類と共生する存在ではないかという推論も出てくる。この推論に対するアンサーがガメラ3になる。(ガメラ3に続く)