豚肉丸

パッションの豚肉丸のレビュー・感想・評価

パッション(1982年製作の映画)
4.2
映像の光の加減にこだわる監督のせいでなかなか映画撮影が進まないお話

ゴダールにしてはストレートなグダグダ映画撮影劇。レンブラントの『夜景』を再現しようと試みながらも光の加減に納得がつかない監督のせいで全く進まない撮影現場が映される冒頭から面白いし、中盤からのゴダゴダ具合も良い。劇中劇の舞台セットが綺麗に作られており、ヌードを基本とした人物の配置も綺麗で流石ゴダールといった感じ。

映画撮影も愛も労働と同じだと映画内で何度も主張される。それが特徴的なのは工場の場面。工場での労働を映画撮影と同化させるのは面白いし、工場内で駆け回る場面はなかなか良い。
「物語性なんて無視しろ!」とも主張するが映画自体はかなり物語性を帯びているのが気になるものの、ゴダールにしてら普通に面白くて良かった。
豚肉丸

豚肉丸