彦次郎

江分利満氏の優雅な生活の彦次郎のレビュー・感想・評価

江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)
3.9
戦中派サラリーマンが酒の縁でエッセイを書いた事から日常生活に変化が生じていく過程を描いたコメディ。
さすが岡本喜八監督というべきかオッサンの独白中心の連作短編集を退屈しないように様々な演出を施しています。
会社の屋上から始まり終わる円環状のような構成は日本人の生活リズムを提示しているようにも思えます。
この時代のサラリーマンの生活資料としても有益な作品。
出色だった登場人物はエブリマン父。事業を起こしては成功と失敗を繰り返す豪快な人物です。演じるは初代水戸黄門こと東野英治郎。入院中に息子から貰ったラジオを看護師にナンパ目的で献上しようとする老いてなお下半身も熱い状態で男性諸兄は範とすべきか否か問題提起する存在といえましょう。
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