彦次郎

岸辺露伴 ルーヴルへ行くの彦次郎のレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.6
超能力(本作ではスタンドではなくギフト)を持つ漫画家岸部露伴が過去に出会った女性から教わった「この世で最も黒く、邪悪な絵」を探しにルーブル美術館に赴くサスペンス。ドラマ版『岸辺露伴は動かない』の制作陣が担当していてドラマ版最終話で本作が示唆されたときには驚いたものです。
原作は『岸辺露伴は動かない』とは異なり”ルーヴル美術館とフュチュロポリス社が2005年より実施してきたBD(バンド・デシネ)プロジェクト”(wikipediaより引用)で日本人の漫画作品として初めてルーブル美術館に展示されるという快挙を成し遂げた作品。
怪しげな東洋美術のキュレーター辰巳隆之介や山村仁左右衛門の詳細な過去などが原作からの変更となります。辰巳はともかく劇場公開で長編にするには江戸時代編も必要だったのでしょうが間延びした印象。それでもこの部分があるからこそルーブル一辺倒ではなく日本を感じさせる独自性が出ているのも確か。また『岸辺露伴は動かない』同様に泉京香が相棒役として物語に明るさを添えていたのは良かったです。
青年時代の露伴先生の恋物語にして黒い絵との関わりである回想編を演じた長尾謙杜氏は傲岸不遜に進化する前の露伴先生といった趣で原作にはない新鮮さでした。
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